BMW 7シリーズ

公開 : 2015.10.07 21:50

お馴染みの音楽とともにイーサン・ハントがウィーン・オペラの会場から逃げ出してくると、黒くきらめく新型7シリーズに飛び乗り、追っ手を煙に巻く。

ミッション・インポッシブル第5作には、そんなスリリングなシーンにBMWのフラッグシップ・サルーンが登場する。

スクリーンを飾ったそのモデルが日本デビューを迎えたので、さっそく発表会で対面してみると、ドライバー不要の自動パーキング・システムや、ジェスチャーで操作するインターフェースなど、スパイ映画気分をあじわえる新機能で溢れていた。

エクステリア

LEDヘッドランプのクルマを最初に目にしたのはいつのことだったか。しかし、その次の世代は、もうそこまで来たらしい。このクルマがきっと、われわれにレーザー・ライトの明るさをはじめて教えたモデルになるのだろうから。

凝った造形のそのヘッドライトは、フロントバンパー両端のLEDフォグランプとともに、新型の顔だちに押しの強い印象を与えている。量産車で初のレーザー・ライト(750i/Liに標準装備、その他はオプション設定)は、車速が約70km/hを超えると、LEDハイビームを補うように自動点灯する。照射距離は600mというからLEDのざっと2倍にあたる。

BMWのアイコンであるキドニー・グリルには、エンジンやブレーキの冷却が必要なとき、自動的にフラップが開いて冷却気を取り込むアクティブ・エア・ストリームが与えられた。

新しい7シリーズを横から眺めると、ボディ・サイドを流れるクロームのストライプが特徴的で、サルーン特有の長々としたキャビンに上品な印象を与えている。リアはこれまで通り小高いトランクと、L字型のテールランプを組み合わせた。

ホイールベースは引きつづき2種類が用意され、740iなどのノーマルが3070mm、740Liなどのロングホイールベースが3210mmとなる。

このうち740iは全長x全幅x全高が、5110x1900x1480mm。メルセデスのS300hの5120x1900x1495mmと比較して、10mm全長が短く、全高が15mm低いボディサイズだ。

インテリア


まずはスパイ映画の主人公になったつもりで上の動画を見て頂きたい。ドライバーの手の動きを認識して、車載システムを操作するジェスチャー・コントロールの解説である(北米仕様)。

1本の指を前に向け、くるくる回せば音量アップ。逆にまわせば小さくなる。その指を前に突き出すのが、電話に出るアクション。手をはらう動作は、キャンセルを意味する。量産車初のこの装備は、新型7シリーズ全車に標準装備され、3Dセンサーによって6種類のジェスチャーが認識される。

10.2インチのワイド・ディスプレイにはタッチ・パネル機能が与えられ、地図の拡大縮小をスマートフォンのように操作するピンチイン/ピンチアウトといった、指先のタッチ操作に対応した。

ドライバーの視線の先には、BMWヘッドアップ・ディスプレイがフロントウィンドウに映し出され、車速、ルート案内を視線をそらさずに確認できる。

こうした先進性に富む新型7シリーズのインテリア空間は、フラッグシップにふさわしい快適性とラグジュアリー性も兼ね備えている。ドアを開くと、エスコートするようにウェルカム・ライト・カーペットが足もとを照らし、シートに身を預ければ前席および後席(オプション)のマッサージ機能が乗員をリラックスさせる。

さらにLWBモデルにオプション設定されるエグゼクティブ・ラウンジ・シートでは、助手席を90mm前方にスライドさせることで、リアシートの乗員が広々とした空間を味わえる。スライドは、後席センター・アームレストに備わる7インチ・タブレット(取り外し可)で操作するのだからスマートだ。

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