現存する米国最古の自動車メーカー ビュイックの歴史(前編) 創業123年、先進的な設計と漂うエレガンス
公開 : 2026.01.31 11:05
120年以上の歴史を誇る米国の自動車メーカー、ビュイック。ゼネラルモーターズ傘下ではプレミアム志向のブランドに位置づけられ、数多くの名車を生み出してきました。本特集ではビュイックの歩みを振り返ります。
もくじ
ービュイックの軌跡を振り返る
ースコットランド生まれの創業者
ービュイック最初の自動車
ーゼネラルモーターズの設立
ー4気筒エンジンのデビュー
ー6気筒へマルチシリンダー化
ー短命に終わった派生ブランド
ーマクラフリン・ビュイック
ー直列8気筒へ発展
ー歴史あるセンチュリーの初登場
ーきらびやかな初代リミテッド
ビュイックの軌跡を振り返る
ビュイックは現在も自動車を生産している北米最古の企業だ。ゼネラルモーターズ(GM)傘下に最初に入ったメーカーでもあり、2023年には創業120周年を迎えた。
これほど長く存続しているということは、過去120年余りの間、正しい道を歩んできた証だ。本特集では、そんなビュイックの歴史を前中後編にわたって紐解いていきたい。

スコットランド生まれの創業者
デイヴィッド・ダンバー・ビュイック氏(1854-1929年)はスコットランド東海岸アーブロース生まれだが、2歳の時に家族と共に米国へ渡った。ヘンリー・フォード氏(1863-1948年)同様、彼も3つの会社を設立し、最後の会社が最も大きな成功を収めた。
ビュイック・モーター・カンパニーは1903年5月19日、フォードより2か月早く設立された。前身となる企業も自動車を生産していたが、本格的に事業に取り組んだのはこの会社だった。

ビュイック最初の自動車
1904年にビュイックが初めて送り出したのはモデルBで、その後改良を重ねる中で何度か名称が変更された。現存するモデルBは確認されていないが、派生車種であるモデルCは12台以上が現存している。
当時の水準では卓越した性能を発揮したが、その主な理由は、バルブがシリンダー横ではなく上部に配置されていた点にある。これは主任技師ウォルター・マー氏(1865-1941)の功績であり、彼はオーバーヘッドバルブ技術をいち早く採用したのだ。

ゼネラルモーターズの設立
ビュイック・モーター・カンパニーは急速に深刻な財政難に陥り、このままでは1年も持たないという危機的状況に追い込まれた。しかし、馬車の販売で財を成したウィリアム・デュラント氏(1861-1947年)が救いの手を差し伸べてきた。当初自動車に関心が無かったデュラント氏はビュイックに感銘を受け、同社を買収したのだ。
1908年、彼はゼネラルモーターズ(GM)という持株会社を設立した。デュラント氏は他者より早く、自動車の商業的可能性を見出し、生産効率の向上にはスケールメリットが鍵となることを察知していたのだ。そのGMが最初に買収した企業がビュイックだった。

一方、創業者デイヴィッド・ビュイック氏は1906年に10万ドル(現在の価値で約300万ドル=約4億7000万円)の退職金を得て会社を去ったが、その後の事業は失敗に終わり、経済的困窮の中で1929年3月に死去したと言われている。
画像 直列8気筒を積んだ1930年代のステーションワゴン【ビュイック・センチュリー・エステートワゴンを詳しく見る】 全13枚















