日産セレナ

2016.08.24

インテリア

日本製MPVのウリといえば、スライドドアと実用性を求めた3列目シートの存在だ。

新型セレナでは、両手がふさがっていても車内に入ることができるハンズフリー・オート・スライドドアを世界初採用した。これは、車体側面に立ち、クルマに向かって足を出し入れするとドアがスライドする機構だ。

脚の動きを検出するのは2つの静電センサーで、上部センサーが脚のすねを、下部センサーが足の甲の動きをセンシング。作動条件はキーを持っている人がドア下に足を出し入れする動きなので、狭い駐車場でクルマの横をカニ歩きしても誤作動はしない。

車内に入ると、運転席の視界を広げる工夫がみてとれる。メーターナセルは頂点を従来型に比べて10mm低くし、ロー&ワイドな造形とした。Aピラーは細くなり、Aダッシュピラーについてはブラックアウトさせて視覚的にも広さ感を強調している。センターコンソールのインフォテインメント・システムには9インチという大型ディスプレイが選ばれた。

日産はドライバーの視線の位置を決めるのにコマンドポジションという哲学を持っている。新型セレナのフロントシートが開放的に感じられるのは、そのアイポイントが競合車よりも30mm以上高く取られていることが大きな要因なのだ。

2列目シートはスライド量が690mmあり、ベビーカーをたたまずに積載できる。また、横スライド機構を備えるうえ、シートベルトをシート内蔵式にしているので、3列目の乗員が乗り降りしやすい。

3列目の乗降性については本格的な対応が進められ、Cピラーが後方へ50mmも移動し開口部を拡大。さらに室内側面トリムに3列目乗員用のスライドドア開閉スイッチを設け、2列目の人が眠っていても出入りできるようにした。

もちろんシート自体にも快適性を求め、3列目のシートが大腿部まで支持できるようクッション長を480mmに広げている。これはライバル・モデルより40mm長い寸法だ。

ボディ&シャシー

多くのMPVが7人乗りをスタンダード・モデルとし、あわせて8人乗り仕様を設定するのに対して、セレナは8人乗りだけラインナップするスタンスを続けている。

このためパッケージングの面では、3列に8人が座っても、身長180cmの人が脚を組めるよう、クラスNo.1の室内長(3240mm、先代より180mm拡大)と室内幅(1545mm)を確保した。

それだけの人数を乗せて、車両重量1620kg(セレナB)、全高1865mmのクルマを走らせるのだから、ふらつきや静粛性にも気を払っている。

具体的には、車線変更時に上屋がグラリと揺れるMPV特有のふらつきを抑えるために、前後サスペンション取付け部とバックドア開口部の剛性をアップ。ショックアブソーバーはサイズを大きくしたものを新開発し、車体の応答性を18%高めることに成功した。

またステアリング特性を、車庫入れ操作では今までより軽く、そしてクイックに、高速道路ではどっしり安定するようチューニングとギア比を変更している。

車内環境については他社モデルが1列目の静粛性に特化する傾向に注目。セレナでは2・3列目まで遮音効果を上げる部材を設定し、リア・ホイールハウスに吸音性能のあるライナーを採用(従来型は樹脂製だった)することで、どのシートに座っていても会話が弾むMPVを目指した。

ほかにもステップワゴンのわくわくゲートに対して、セレナではデュアル・バックドアを採用したのも興味深い。これはバックドアの上半分を樹脂製のハーフドアにしたもので、開いたときの突出量を48cmに抑えたのがポイントだ。MPVを駐車枠に停めたあと、車体後方のスペースに余裕がないなら、バックドアは閉めたままハーフドアだけ開閉すればいい。

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