70年前の希少ジープも! 茂みに隠れたクラシックカー 20選(後編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.12.14 11:45

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、筆者がたまたま見つけた、ネット上にもほとんど情報が載っていないウィスコンシン州の「隠れ名所」を紹介します。

スチュードベーカー・レッカー(1952年)

このスチュードベーカー・レッカーは1952年式であり、1990年代まで現役で稼働していたという。運転席に植物が侵入していることに注目。これは床板がどれほど腐食しているかを如実に物語っている。2Rモデルは1948年から1953年まで生産されたが、キャブはさらに6年間生産が続けられた。

スチュードベーカー・レッカー(1952年)
スチュードベーカー・レッカー(1952年)

シボレーインパラ(1963年)

3代目(1961~1964年)インパラの中で、最も魅力的だと広く考えられているのが1963年のモデルだ。確かに売れ行きも良かった。最も人気があったエンジンは283立方インチ(4.6L)と327立方インチ(5.3L)のV8で、1/4マイルは前者17.3秒、後者16.3秒を誇った。しかし、トップに君臨する高性能モデルは425ps の409立方インチ(6.7L)を搭載し、わずか14.9秒で1/4マイルを制した。

シボレー・インパラ(1963年)
シボレー・インパラ(1963年)

シボレー3100(1954年)

このワークホースは、何年も前に廃車になったようだ。それ以来、数多くの部品を提供してきた。1954年式シボレー3100ステップサイドで、良好なコンディションであれば非常に人気の高いモデルだ。この個体では欠けているが、3列の水平バーを備えた魅力的なグリルが特徴だった。グリルは標準仕様では塗装されていたが、わずかな追加料金でクローム仕上げも選択できた。また、235.5立方インチ(3.8L)の6気筒エンジンもこの個体には残っていない。

シボレー3100(1954年)
シボレー3100(1954年)

ポンティアック・ボンネビル(1969年)

G&Gオート・サルベージの車両の多くは茂みに隠れており、この1969年式ポンティアック・ボンネビルももう少しで見逃すところだった。車体は少し歪んでいるように見えるが、構造的には健全で、錆もほとんどない。

曲線テールライトとボディ同色のバンパーインサートを備え、当時の米国車の中でも特に個性的なリアデザインだった。

ポンティアック・ボンネビル(1969年)
ポンティアック・ボンネビル(1969年)

スバル・レオーネ

1970年代初頭のスバル・レオーネに施された、手作りのオーバーフェンダーと太いタイヤに注目してほしい。ダットサントヨタと比べ、スバルは米国市場への参入が遅く、1968年に販売を開始した。最初に市場投入されたのは360で、数年後にFF-1が続いた。レオーネ(イタリア語で「ライオン」の意)は1971年に前輪駆動クーペとして登場したが、四輪駆動や他のボディスタイルも追加された。

スバル・レオーネ
スバル・レオーネ

クライスラー・コルドバ(1981年)

茂みに隠れたクライスラー・コルドバを見かけることは滅多にない。

兄弟車のダッジ・ミラーダと同様、1981年式コルドバは空力設計のノーズコーンを採用し、スポーティな高級クーペに仕上げている。しかし、標準装備の6気筒エンジンはわずか95psしか出ず、いわば見た目だけのクルマだった。販売は惨憺たるもので、同年の販売台数はわずか2万293台。わずか3年の販売期間を経て、1983年に生産中止となった。

クライスラー・コルドバ(1981年)
クライスラー・コルドバ(1981年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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