異例! たったの5か月/たったの1車種 全EV販売を塗り替え 日産サクラ3つの魅力

公開 : 2022.12.26 05:45

3つ目の理由 日産ならでは

全幅1475mmのボディは都市部の路地裏でも扱い易いのに、全高が1655mmと高いうえにスペース効率が高い車内には、大人が4人、余裕を持って腰掛けられる。

アクセル・ペダルの操作に応じてモーターのパワーをコントロールする巧さは日産が得意とすることで、誰にとっても運転がしやすいだけでなく、初心者が操作してもギクシャクしにくいという長所を備える。

そしてアクセルペダルを戻すだけでほどよい減速感が得られるeペダルが使いこなせるようになれば、停止時以外はまずブレーキペダルを踏まずとも運転できるようになるはず。

その際には、アクセルペダルからブレーキペダルに足を踏み換えなくて済む利便性の高さにビックリすることだろう。

このように、サクラにはシティコミューターに求められる要素がほぼすべて揃っている。いや、シティコミューターと書くと長距離ドライブが苦手なように思えるかもしれないが、前述のとおり走りが力強くて乗り心地が良好なサクラは長距離ドライブに使っても疲れにくいと推察される。

唯一、20kWhとバッテリーが小さめなこともあって航続距離が180km(WLTCモード)に限られている点が弱点ではあるものの、これを逆手にとり、目的地までにある道の駅を次々と巡っていくなんていう旅の楽しさを味わえるかもしれない。

そもそも、日本の平均的な家庭は1日の走行距離が20km未満(国道交通省のH17道路交通センサスによる)ともいわれるので、実質的に150km以上は走破できるサクラだったら1週間に1度の充電でもこと足りる計算になるのだ。

それに、バッテリーに用いられる素材にはレアアースが多いので、容量は可能な限り小さいほうが地球に優しいという考え方だって成り立つ。

しかもデザインが可愛らしく、魅力的なボディカラーが豊富に揃っているのだから、サクラが人気なのも当然といえるだろう。

日産サクラ 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    安井宏充

    Horomitsu Yasui

    1985年東京生まれ。東京総合写真学校卒業後、株式会社KIPS入社。石井功二、西崎博哉に師事する。現在は広告/雑誌を中心にクルマ/バイク/ファッションの幅広い分野で活動。幼少から無類のクルマ好きで自宅にはポルシェGT3/マクラーレンセナGTR(いずれもレゴ)を所有。クルマもバイクも撮るよりも実は乗るほうが好き。編集部の上野さんよりしつこいオファーを受け、AUTOCARでの初仕事は「日産サクラを史上最高にカッコ良く撮影してほしい」とのリクエストへの挑戦だった。instagram:@hiromitsuyasui_weekend

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