新型登場迫る『日産サクラ』で、最も経済的にBEVの世界を体験! 先進性や商品性に大きなアドバンテージ【ザ・国産EV検証 #6】

公開 : 2026.04.15 11:45

3月中旬、『メーカー合同EV取材会』と題した試乗イベントが開催されました。ここではスーパーカー超王ことモータージャーナリスト山崎元裕が『ザ・国産EV検証』と題して、各ブランドごとにレポートします。最終回となる第6回は日産です。

他車に対して大きなアドバンテージ

リーフアリアに続く、乗用タイプの量販BEV(電気自動車)として日産が選んだのは、BEVをこれまで以上にカスタマーにとって身近な存在にするために、軽自動車規格で開発された『サクラ』だった。

同時にサクラは、日産の軽自動車ラインナップにおいてはハイエンドを担うモデル。デビューは2022年だが、それ以降も装備内容の見直しや特別仕様車の設定などが積極的に行われ、現在も技術的な先進性や商品性において、他車に対しての大きなアドバンテージを保っている。

『ザ・国産EV検証』と題したシリーズ、最後を飾るのは『日産サクラ』。
『ザ・国産EV検証』と題したシリーズ、最後を飾るのは『日産サクラ』。    平井大介

シャープなラインで構成されるサクラのボディは、全長3395mm、全幅1475mm、全高1655mm。しかしその端整なデザインは軽自動車というより、あくまでも最小サイズの機能的なコンパクトカーといった印象を抱かせてくれる。スタイリッシュかつ高級感のあるスタイルだ。

さらなる感動は、実際にそのキャビンに身を委ねてみると瞬時に訪れる。今回ドライブしたトップグレードの『G』のみがオプションで選択可能な、プレミアムインテリアパッケージのフィニッシュにまずは感動する。

実際の加速は常にスムーズ

さらにBEVであるサクラは、フロア下に20kWhの容量を持つリチウムイオンバッテリーを搭載するのだが、そのレイアウトを工夫することで余裕のあるフットスペース、そして室内高を確保しているのだ。リアシートまわりの広さなどは感動的だ。

フロントに搭載されるモーターは最高出力で47kW、すなわち軽自動車の自主規制値である64psに相当するが、驚くべきは195Nmという最大トルク。サクラの車両重量はGグレードで1080kgにも達するが、実際の加速は常にスムーズだ。

バッテリーレイアウトを工夫することで余裕のあるフットスペース、そして室内高を確保している。
バッテリーレイアウトを工夫することで余裕のあるフットスペース、そして室内高を確保している。    平井大介

また、サクラにはアクセルペダルの操作だけで加減速をコントロールする『eペダル』に、新たにクリープ機能を搭載した『eペダルステップ』が採用されているが、そのフィーリングもドライバーの感性に巧みにマッチしている。

走行中のキャビンはもちろんBEVだけのことはあり、静かで快適な空間。リアをトルクアーム式3リンク式リジッドとしたサスペンションの動きもしなやかで、ここにも軽自動車とは思えない高級感が演出されている。

一充電あたりの走行可能距離は180km

実際にこのサクラを購入しようというユーザーが考えるのは、20kWhというリチウムイオンバッテリーの搭載量。そして、それが可能とする一充電あたりの走行可能距離がWLTCモードで180kmであることだろう。

ちなみにこのGグレードには、2024年から助手席側にもシートヒーターが備わるようになったのだが、やはりエアコンの使用頻度が増える夏場や冬場には、この数字では心配だという声が聞かれるのも否定できないところ。

一充電あたりの走行可能距離はWLTCモードで180kmとなる。
一充電あたりの走行可能距離はWLTCモードで180kmとなる。    平井大介

一回の平均的な走行距離が100km程度、そしてBEVは夜は自宅で眠るもの(充電するもの)だと考えられるユーザーならば、サクラの持つBEVとしての性能は必要にして十分なものだと個人的には判断したい。購入時の補助金などを考えれば、サクラは最も経済的にBEVの世界を体験できるモデルであることに間違いはないのだから。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

ザ・国産EV検証の前後関係

前後関係をもっとみる

スーパーカー超王が斬るの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事