歩みはじめたアルファ ロメオ電動化 トナーレ プラグインハイブリッドQ4 飯田裕子/井出有治が試乗

公開 : 2023.11.29 11:30

シンプル 楽しい そしてスポーティ!

タイヤサイズは前後ともに235/40 R20となる。

1.3Lエンジンは180ps、駆動用のモーターはフロントが45ps、リアが128psというハイブリッド。車体中央にプロペラシャフトが通っていないけれど、それでも駆動は4駆なのだという。

しかも自宅で充電でき、バッテリーだけでEVとして走ることもできる。初対面のアルファ ロメオ トナーレ プラグインハイブリッドQ4を前に機構的な説明を受け「ちょっと……難しそう!」と身構えてしまった。

こんな時は「案ずるより乗ってみるが易し!」。箱根ターンパイクで走らせてみたくなった。

アルファ ロメオはこれまで何台かドライブしたことがあるけれど、SUVモデルは初めて。と言ってもトナーレは思ったよりボディ全体が低く、ステアリングをはじめとする操作系からもスポーツカーのようなダイナミックな雰囲気が伝わってくる。

最初のアクセルオンでグンッと力強い加速がはじまった。フロントよりも若干リアのトラクションが強いくらいの印象だ。

ハンドリングは4駆とはいえすっきりとしていて、コーナーのエイペックスに全身で飛び込んでいく感じ。背後で色々なハイテクが複雑に絡み合っているはずだが、走りの印象はとても整然としている。

そして、このクルマは楽しい!

トナーレ プラグインハイブリッドQ4は走るたびに自然とペースが上がっていってしまう、そんなスポーティなクルマだった。欲を言えば、ペースを上げていったとき、あと少しだけダンパーの減衰が強ければ言うことなし!

と感じたところで、AlfaTM DNAドライブセレクターに触れてみた。Dは常にエンジンが主張するダイナミックな走行向き、これまで走らせてきたNモードは「ナチュラル」という意味で効率の良いハイブリッド、そしてAは「アドバンスド・エフィシェンシー」。省燃費性能を重視するモードで、プラグインハイブリッドの場合はEV走行モードとのこと。

もちろんワインディングで選ぶべきはDモードだ!

すると最初のコーナーでさっそくトナーレのダイナミックな変化を察知できた。アクセルワークに対するレスポンスが上がっていたのだが、それ以上に驚かされたのはアシ回りだった。ダンパーの減衰が高まったことで車体の動きが落ち着いたので、積極的にアクセルを踏んでいけるのだ。

Dモードで走らせるトナーレ プラグインハイブリッドQ4は理屈抜きのスポーツカーだ!

こんなに走りがいがあって、でも環境性能に配慮したハイブリッド。しかもサイズ感もちょうどいい。僕は今日いきなり、トナーレの虜になってしまったのだった。

記事に関わった人々

  • 語り手

    飯田裕子

    Yuko Iida

    免許を取るまではクルマにまったく興味がなかった女子だったが、山に囲まれた実家の近くは折しも峠ブーム。ドライビングやスポーツカーへの興味を抱くようになる。自動車メーカーでOLをしながら弟(飯田章)とレース活動をスタート。退職後「クルマ×人(中心)×生活」をテーマとするジャーナリストに。現在の愛車はポルシェボクスター(981)
  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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