飯田裕子がイタリアのデザインセンターで訊く 新型アルファ・ロメオ・トナーレのDNA表現方法 「変化は正統でなければならない」

公開 : 2026.03.19 11:45

アルファ・ロメオ・トナーレがマイナーチェンジを受け、3月17日に日本でも発表されました。昨年秋にその姿をいち早く確認した飯田裕子が、デザイナーのアレハンドロ・メソネロ=ロマノス氏にデザインのDNAを訊きます。

チェントロ・スティーレで初顔合わせ

2025年秋にイタリア本国でマイナーチェンジを行い、3月17日に日本でもデビューした新型『アルファ・ロメオトナーレ』。

ピュアさといった、ストレートな感情だけでクルマづくりを行うのが困難な時代。ダイナミック特性を洗練させると同時に、期待を裏切らない美意識の高さと内に秘めたるパッションが増すモデルへと進化を遂げているようだ。

マイナーチェンジを受けたアルファ・ロメオ・トナーレ(欧州仕様)。
マイナーチェンジを受けたアルファ・ロメオ・トナーレ(欧州仕様)。    ステランティス

昨年11月に訪れた、イタリア・トリノのグローバルデザインセンター『チェントロ・スティーレ』。自然光が降り注ぐ屋内で出迎えてくれたブレラ・レッドのトナーレとの初顔合わせでは、一目で新しさを感じることができた。

けれど、既存のモデルと『比べる』ことをしたのはほんの一瞬だった。

この、一見するとシンプルな造形を眺めれば眺めるほどこちらのエモーショナルな感情が高まる、新型の顔つきやフォルムの個性にすっかり魅了されてしまったからだ。

思い出せばこの感覚は以前、マイチェン前のトナーレで都内から箱根までドライブし、駐車場に停めて眺めていた時と同じだった。

ちなみに比べると言えば、ブランドで最もコンパクトな『ジュニア』のハツラツとしたエモさと違い、こちらは内に秘めたパッションが濃い印象だ。そんなキャラクターのコントラストを並べて味わってみたいと思うほど、アルファ・ロメオの美意識には不思議な魅力がある。

アルファ・ロメオのデザインDNA

チェントロ・スティーレで、私がいきなりデザイナーに投げかけた質問に対する応えを、先に明かしてしまおうと思う。

「私が抱くこの感覚や感情、アルファ・ロメオのデザインDNAや『らしさ』は、どのように社内で共有されるのでしょうか?」

デザイン部長のアレハンドロ・メソネロ=ロマノス氏(2021年撮影)。
デザイン部長のアレハンドロ・メソネロ=ロマノス氏(2021年撮影)。    ステランティス

私の問いを受け止めたのは、デザイン部長のアレハンドロ・メソネロ=ロマノス氏。彼の言葉で印象的だったのが、『ヒューマン・フィーリング(=人間臭さや人間らしさ)』、そして『ヒューマン・ボディ・アティチュード』だった。

「デザイナーたちには、いきなりリアルなクルマやパーツのデザイン画を描かせません。人間の顔や動物のキャラクターを描きながら、立体的な塊や様々なバランス、姿勢などを描き、攻撃的だったり、ゆったりした様などを考察していきます。

ギリシャ彫刻のような筋肉の立体的な様子や光による陰影が、姿勢や感情を生み出しています。アルファ・ロメオの造形美や美意識は、そういった人間の内面から湧き出るような美しさや軽さを表現することで、自然で正しいデザインが生まれていくのです」

風のない部屋で美しく見えるカーテンのドレープも素敵だけれど、止まっていてもじわじわと感情が動かされるアルファ・ロメオの内に秘めたエモさは、こうして生まれているのだと理解できた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    飯田裕子

    Yuko Iida

    免許を取るまではクルマにまったく興味がなかった女子だったが、山に囲まれた実家の近くは折しも峠ブーム。ドライビングやスポーツカーへの興味を抱くようになる。自動車メーカーでOLをしながら弟(飯田章)とレース活動をスタート。退職後「クルマ×人(中心)×生活」をテーマとするジャーナリストに。現在の愛車はポルシェボクスター(981)

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