アルファ・ロメオCセグメントSUV『トナーレ』が正常進化 伝統的アルフィスタを意識した内外装 走りは断然スポーティ!

公開 : 2026.03.17 11:00

3月17日、ステランティス・ジャパンはアルファ・ロメオCセグメントSUV『トナーレ』のマイナーチェンジを発表しました。内外装や走行性のなどがアップデートされています。発表前に試乗することができた森口将之のレポートです。

伝統的な美を継承

アルファ・ロメオに限らず、イタリアやフランスのブランドはドイツ車とは対照的に、車格や世代でデザインを大胆に変えてくる。クルマは文化であり、時代の流行をいち早く捉え、多様性に応えていくことが大事だと考えているような気がする。

同じアルファのコンパクトSUV、Cセグメントの『トナーレ』とBセグメントの『ジュニア』のスタイリングが違うのは、チーフデザイナーが変わったりしたためもあるけれど、だから納得なのである。

3月17日、アルファ・ロメオCセグメントSUV『トナーレ』のマイナーチェンジを発表。
3月17日、アルファ・ロメオCセグメントSUV『トナーレ』のマイナーチェンジを発表。    山本佳吾

アルファのエントリーモデルでもあるジュニアが、若いユーザー向けに前衛的な美を提示したのに対して、トナーレは伝統的なアルフィスタを意識して、伝統的な美を継承してきたように感じる。

僕は若い頃、ジュリア・クーペの2000GTヴェローチェに乗っていたこともあり、そのジュリア・クーペをモチーフとしたサイドのショルダーライン、SZやブレラを思わせる6つ目のヘッドランプなどを備えたトナーレに惹かれる。

なのでそのトナーレがマイナーチェンジするというニュースは、期待とともに不安もあった。でも実車を見ると、トナーレらしさをさらに研ぎ澄ませていて、ホッとした。

まずは1.5L直列4気筒ターボにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを積む『ヴェローチェ』と『スプリント』の2グレードから導入される新型トナーレ、大きく変わったのはフロントマスクだ。

『スクデッド』(盾)の中が水平ラインになり、左右には156などに採用されていた『アソーレ』(ボタン穴)が復活。下部のインテークは車端に行くほど拡げることで、『トリローボ』(三つ葉)を強調している。

アルファ・ロメオのヘリテージを意識

試乗前のプレゼンテーションではこの3つのポイントについて、第二次世界大戦前のグランプリマシンや、愛車だった2000GTヴェローチェなどが紹介された。ヘリテージを意識していることが嬉しかった。

しかもこのフェイスリフトは、フロントから流入した空気をサイドに流すことで走行安定性を向上させるとともに、歩行者衝突保護性能を高めるなど、機能面にも寄与しているところがまた素晴らしい。

スクデッド(盾)が水平ラインになり、左右には156などに採用されたアソーレ(ボタン穴)が復活。
スクデッド(盾)が水平ラインになり、左右には156などに採用されたアソーレ(ボタン穴)が復活。    山本佳吾

サイドではホイールが目を惹く。20インチという大径もさることながら、3つのホールを大きくとり、外側がタイヤに溶け込んでいくような造形は大胆で、こちらは今のアルファであることをアピールしてくる。

ボディカラーは5色。白、グレー、黒は従来どおりだが、緑は深みのある新色『モンツァ・グリーン』になり、試乗した赤はスペシャルメタリックの、その名も『ブレラ・レッド』になった。

インテリアでまず気づいたのは、7速DCTのセレクターがレバーからダイヤルに変わったことだが、これは昨年の改良で置き換えられていたのだという。

今では貴重になりつつあるナチュラルレザーのシートは、ボディカラーによってはレッドが新たに選べるようになった。レザーなのに滑りにくく、座面のサポートがタイトであるところなど、アルファっぽい。

ふたつのコブの中に収まるメーターはこれまでと同じで、フルデジタルでありながら数字を放射線状に並べた丸い2眼メーターは、1960年代のアルファを思わせる。エクステリア同様、昔を知る者にとってはうれしい演出だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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