ロータス史上最高の3台 エランS2/エスプリ・スポーツ300/エリーゼS1 一気乗り

2017.07.08

ロータス・エリーゼS1

年代順で考えるならここでエスプリに乗り換えるべきところだが、それではギャップが大きすぎるようにも感じられる。

それに加えて、エリーゼが真の意味でエランの後継となっているかどうかを確かめたいという好奇心があまりに強すぎたので、エリーゼに乗ることにした。

エンジンはドライバーの前方から後方に移動したが、依然として2.0リッターに満たない4気筒であり、ボディも相変わらずグラスファイバー製で、軽量化と単純化への強烈な執着もまったく変わっていない。

初期型のエリーゼはロータスが公称するほど軽くはなく、それは最初の諸元が装備重量ではなく乾燥重量だったためだが、今回の1998年式は、ディスクがアルミではなく鉄製であるにも関わらず重量はわずか730kgで、これは現行の最軽量モデルよりも146kg軽い数値である。


今回提供されたクルマは、かなり使い込まれており、新車時の試乗の記憶を手繰りながら、そのギャップを埋めようと考えていたが、その必要は全くなかった。多少走行距離が伸びていようが、エリーゼは魅力的な体験をさせてくれるだけの実力はなんら変らなかったのだ。

1.8ℓのローバーKシリーズのエンジンはわずか118bhpかもしれないが、クルマ自体がこれだけ軽ければエリーゼを0-97km/hまで5.9秒で加速させるには充分であり、これは最新型のトヨタ製エンジンを搭載するモデルよりわずかながら速い数字である。

多少気まぐれな挙動を示すのではとわたしは予想していて、特にウェットコースではなおのことと考えていたが、この点でもわたしは完全に肩透かしを食ってしまった。エランで最も特筆に価するのがサスペンションの路面追従性だとするなら、エリーゼでのそれはステアリングだ。

こちらもやはりゆっくり走っていても楽しめるクルマではあるが、それはグリップに欠けるところがあるからでは決してなく、むしろ路面の感覚がそのまま自分の指先に反映されるという得がたい体験が決して乗り手を飽きさせないからなのだ。

ホイールベースは短く慣性モーメントは低いが、このステアリングの優れた素性が本気で振り回して走るときに何よりも自信を与えてくれる。


実際に走って見ると、コーナーの抜け方に2通りの方法があることに気づく。

レーシングカーのようにアペックスで狙いを定め、きれいにクルマをバランスさせてアクセルコントロールで走りぬけることも出来るし、単純にインベタで走っても構わない。


使い込まれた14年落ちのエリーゼは、現代のクルマが思いもよらないような素晴らしい挙動を教えてくれる。まるで、自分の周囲を自らがコーナリングしているかのようなダイレクト感が得られる。

テールが流れた場合でも、特にウェットコンデションで簡単に流れるのだが、リニアな動きなので、フロントを意図する方向に向け続けるのは難しくない。

数ラップを重ねるうちに、このお気に入りのエリーゼがアットホームで快適な空間に感じられてくるはずで、それはまるで履きなれた上履きのようになじんだ感触となるだろう。

どの旧型エリーゼも今なお素晴らしいクルマであることを実証してくれるはずだ。

 
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