プロジェクトXな2台 フィアットX 1/9 ランチア・ベータ・モンテカルロ

2019.04.21

100字サマリー

フィアットX 1/9とランチア・ベータ・モンテカルロ(元X1/8)は、同じフィアットSpAグループから生まれた名友関係にありますが、その計画は一筋縄ではいきませんでした。今では叶うことがなさそうな、イタリアン・コンパクト・ミドシップを振り返ります。

もくじ

イタリア発のミドシップ民主化運動
オイルショックを経て量産では4気筒化
モンテカルロと近似するメカニズム
ベビー・フェラーリというニックネームにも納得
英国ではわずか6台のベルデ・ベータ
スタイリングだけではない、優れたパッケージング
長距離のランチアか、楽しさのフィアットか
2台のスペック

イタリア発のミドシップ民主化運動

1970年代は、手頃な価格のスポーツカーの終演を迎えた年代だと、英国では受け止めているひとも多いだろう。英国では、ロードスター・モデルの量産は先細りとなり、生き残ったのはロータスのような少量生産を行っていたメーカーのみとなった時代。しかし、スポーツカー大国、イタリアでは事情が異なる。

フィアット850スパイダーと124クーペのモデルチェンジのためにそれぞれ設計されたものの、一般的なドライブトレイン・レイアウトを避け、当時最新のシャシー構成を選択した2台が存在する。そんなF-1マシンと1960年代のスポーツカーなどにヒントを得て登場したのが、フィアットX1/9とランチア・ベータ/モンテカルロという2台。ミドシップ・スポーツカーの流麗なドライビングフィールを、廉価な価格で民主化した先駆者だといえる。

その成り立ちは、労働者階級に準じたものだった。どちらのモデルもオリジナルはフィアットSpAグループが同時期に立ち上げたプロトタイプで、ランチアが先にX1/8という名前でプロジェクトをスタートさせたのだが、1972年にフィアットのX1/20へとプロジェクトは変更され、最終的な量産モデルでは別のフィアットにX1/9という名前が付いている。デザイナーが書き起こしたスタイリングと、現実にショールームに並ぶまでの間には、紆余曲折が待っていたのだ。

 
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