ほとんどのひとが忘れた？　34台のクルマたち　後編

公開 : 2018.06.24 06:10　　更新 : 2019.05.04 13:03

記憶の底をさらってみると、浮かび上がってくるのは少量生産のスポーツカーがメインですが、量販セダンや高級サルーン、SUVなどもちらほら。1世紀を超える自動車史に咲いて散った徒花を、今一度思い起こしていきましょう。

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「トルネード・タリスマン」（1962年）トルネードは、エンスージアストがガレージで組み立てられるグラスファイバーのボディシェルを手がけるメーカーとして設立。そのベストセラーとなったのがこのタリスマンだが、生産されたのは186台に過ぎず、1964年の廃業とともに製造が終了した。

「ユニパワーGT」（1966年）ユニバーサル・パワー・ドライブズは農業機械の製造で知られるが、75台のみながら自動車生産に参入した実績もある。エンジンは998ccか1275ccのミニ用だが、それをミドシップマウントした興味深いチャレンジだ。

「トライデント・クリッパー」（1967年） 1965年のジュネーブ・ショーにTVRとして出展されたが、トライデントは自社モデルとして量産し、10年ほど生産した。とはいえ、その台数は200台そこそこだ。

「パイパーGTT」（1968年）レースカーの製造から始まったパイパーは、1967年にロードカー生産に転じる。しかし、6年間に造り上げたプラスティックボディのスポーツカーは100台程度。

「ギルバーン・インベーダー」（1969年）いまのところウェールズ唯一の自動車メーカーであるギルバーンは、1959年に創設。1000台以上を生産したが、その最後のモデルとなったインベーダーが600台ほどを占める。エンジンはフォード製V6だ。

「フォードGT70」（1970年） GT40は瞬く間にフォードの象徴となったが、その後に登場したV6ミドシップのGT70が忘却の彼方へ消えるまでに要した時間も長くはない。

「マーコス・マンティス」（1970年）曲線的なスタイリングで有名なマーコスだけに、この角張ったマンティスのデビューは衝撃的だった。エンジンはトライアンフの2.5ℓで、生産は32台にとどまった。

「モニカ560」（1972年）ブリストルに挑もうと試みたフランスのモニカは、クライスラー製V8を用いた。結局はパンサーに買収され、この560が本格量産されることはなかったが、それでも35台程度が製造された。

「クラン・クルセイダー」（1971年）ロータス出身のエンジニアたちが1969年に立ち上げたクランは、このクルセイダーを完成させるも、1973年の石油危機により消滅。1985年にはクローバーと名を変えプロジェクトが復活するが、失敗に終わるまでに長くはかからなかった。

「スコーピオン・クーペ」（1973年）クラン・クルセイダーと同様、スコーピオンもリヤに積んだヒルマン・インプの998ccエンジンが、石油危機で消えた口だ。その造りのいいグラスファイバーボディを見るに、成功したはずだと思うのだが。

「ロンズデール・サルーン／エステート」（1983年）三菱はオーストラリアに建設したファクトリーで、ギャランΣのリバッジ版を生産し、英国に送り出した。エンジンは1.5ℓ、2.0ℓ、2.6ℓを設定。残念ながら、売れ行きは芳しいものではなかった。

「エヴァンテ140TC」（1986年）リンカーンシャーのヴィーガンチューンは、長年にわたりロータス・エランのレストアとチューニングを手がけてきたが、これはへセルのクラシックモデルを彼らなりに解釈して、それを形にしたものだ。

「ACエコッセ・シグネチャー」（1988年） ACカーズから3000MEの権利を取得したACエコッセは、その後継モデルとするべくこのシグネチャーを開発。アルファロメオの2.5ℓV6を積むミドシップモデルは、量産されれば自動車史を賑わせたかもしれない。

「サオ・ペンザ」（1991年）南アフリカのサウスアフリカン・モーター・コーポレーションが、サオ名義で生産・販売したペンザは、とっくに現役を退いていたマツダ323（ファミリア・6代目）の名前を変えたものである。

「アジア・ロクスタ」（1994年）かつて存在した韓国の亜細亜自動車が、ライセンス生産していたジープを転用し、民生用として1990年に発表したのがロクスタ。英国へは1994〜1998年に導入されたが、造りは本家に遠く及ばないほど貧相だ。

「キーナスGT」（1996年）オペル車のオープンボディ化から事業を始めたキーナスは、70年代のオペルGTを思わせるルックスのコンバーティブルで自動車製造に参入。注目すべきはまだまだ一般的ではなかった開閉式ハードトップをいち早く採用したことだ。

「ストラスキャロンSC-5A」（2000年）プロトタイプが初公開されたのは1996年だったが、ストラスキャロンがSC-5Aの量産準備を整えたのは2000年だった。しかし、型式認証に関する法規変更があり規定に適合できなくなり、生産はたった20台を数えたところで終了した。

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