お値段は高めで推移 ホンダ・シビック・タイプR(FL5型)【UK中古車ガイド】 実環境ではFK8型が楽しい? 日本からの並行輸入車も

公開 : 2026.10.16 18:05

英国では先代から大幅に値上がりしていた、FL5型のホンダ・シビック・タイプR。希少性から中古車でも高値で推移しています。速度域を問わず精緻で濃密な走りを、UK編集部が中古車で再確認します。

シャシーはFK8型タイプRの進化版

FL5型のホンダ・シビック・タイプRが英国で発売されたのは、2022年。先代から1万5000ポンドも高い、4万6995ポンドの価格へ落胆したファンは少なくなかった。欧州では、CO2排出規制に伴い販売が限られた一方、需要が高かったことが理由だった。

英国ではFL5型の販売が終了し、中古車価格は高めで推移中。同時期の好敵手といえた、フォード・フォーカス STエディションと同等の予算が必要になる。

ホンダ・シビック・タイプR(FL5型/2022年〜/英国仕様)
ホンダ・シビック・タイプR(FL5型/2022年〜/英国仕様)

先代、FK8型シビック・タイプRの進化版といえるシャシーは、ホイールベースを僅かに延長。トレッドは15mm広く、ボディのねじり剛性は15%高い。2.0L 4気筒VTECターボエンジンはフライホイールが軽量化され、吸排気系が見直され、330psを得ている。

トランスミッションは出色の6速マニュアルで、機械式LSDを介し前輪が駆動される。ブレーキはブレンボ社製で、前には4ポッドキャリパーが奢られる。避けられないガソリン微粒子フィルターの実装で車重は増え、排気音の音色にも影響が出ているが。

速度域を問わず精緻で濃密な魅力は揺るがない

公道での走りは、まるでホモロゲマシン。真価を引き出すには、先代より高い速度域が必要になるとはいえ、許された環境で技術を持つドライバーが操れば、最高の充足感へ浸れる。サスペンションは滑らかに動き、ステアリングには鮮明な接地感が伝わる。

前輪駆動とは思えないほどの安定性で、カーブの脱出加速は痛快そのもの。深い一体感で、意のままの操縦性を享受できる。ドライブモードは、公道ではコンフォートが好適。インディビジュアルなら、ステアリングやダンパーをお好みの設定で登録できる。

ホンダ・シビック・タイプR(FL5型/2022年〜/英国仕様)
ホンダ・シビック・タイプR(FL5型/2022年〜/英国仕様)

座面が低い、運転姿勢は理想的。アルミ製のシフトノブと、アルカンターラ巻きのステアリングは握りやすく、赤いシートは身体を良く支える。内装は通常のシビックと大差ないが、物理スイッチとタッチモニターのバランスはクラストップに素晴らしい。

ボディサイズは大きめで、荷室も後席も広々。フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIより実用性に優れた、運転の楽しいハッチバックといえる。速度域を問わず、精緻で濃密。FL5型の魅力は、中古車だとしても揺らがないはず。

新車時代のAUTOCARの評価は?

開発者の技術と情熱の結晶といえ、彼らの狙い通りに走らせれば最高に面白い。同時に量産FFモデルとして、ラップタイム更新も目指されている。低速域では淡白かもしれないが、タイプRの終売は市場にとって巨大な損失となるだろう。(2025年8月10日)

ホンダ・シビック・タイプR(FL5型/2022年〜/英国仕様)
ホンダ・シビック・タイプR(FL5型/2022年〜/英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    アレックス・ウルステンホルム

    Alex Wolstenholme

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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