ラインナップ現役17年目の工業製品 日産GT-RプレミアムエディションTスペック 2024年モデル

公開 : 2024.01.30 17:45

古い新しいを超越したスタンスに感服

R35のGT-Rは最初期のモデルからたびたび試乗してきている。だからということもあるが、ガッシャガッシャと駆動系がバックラッシュし続けるように走るあのGT-Rがよくぞここまで! と思わずにはいられない。

よくレーシングカーは遅くて壊れないクルマを速くするより、速くて壊れやすいクルマを壊れにくくするアプローチの方が勝利への近道と言われる。R35のGT-Rの歴史にもそれに似たアプローチを感じる。

日産GT-R プレミアムエディションTスペック
日産GT-R プレミアムエディションTスペック    日産

時代に先んじてデュアルクラッチトランスミッションをトランスアクスル配置し、センタートンネル内にプロペラシャフトを2本通すという独創的なレイアウトを最初に完成させていたからこそ、基本構成を変えずリファインのみで生きながらえ、リーマンショックもコロナ禍も乗り越えられたのだろう。

そういう意味では、実は決定的で簡潔なモデルでもあるのだ。

様々なクルマに触れるジャーナリストとしての視点で見れば、MY2024でもなおGT-Rは褒められるところばかりではない。フロアまわりの振動やコクピット内の眺め等々、いたるところに古さが感じられるのである。それでいてオプションを含めた車両価格は2000万円にあと少しで手が届くほど。となれば色々と他の選択が思い浮かんでしまう。

だが実際のGT-Rは、日本のみならず世界中のマニアが飛びつくように指名買いするモデルとしてある。古いとか新しいを超越した価値観がそこにはあるのだ。GT-Rマニアではなかったとしても、その圧倒的な存在感に感服せずにはいられないはずだ。

試乗車のスペック

価格:1896万700円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4710×1895×1370mm
駆動方式:4WD
車両重量:1760kg
パワートレイン:V型6気筒DOHC 3799cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:570ps/6800rpm
最大トルク:65kg-m/3300~5800rpm
ギアボックス:6速オートマティック
タイヤサイズ:255/40ZRF20(フロント)285/35ZRF20(リア)

日産GT-R プレミアムエディションTスペック
日産GT-R プレミアムエディションTスペック    日産

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

関連テーマ

おすすめ記事

 

日産 GT-Rの人気画像