入力装置は想像よりも軽く、ステアリングは驚くほどデリケート。ブレーキ・ペダルは重いが、踏めば踏むだけの制動力をもたらしてくれる。

ウエット・タイヤと濡れた路面というあまり好ましくないシチュエーションにもかかわらずグリップ・レベルはとてつもなく高く、タイヤがあたたまる前でも危うさはない。速く進もうとすれば、ハンドリングはさらに軽快になる。

筆者の経験上、アリエルやケータハム、ラディカル、ジネッタなどのサーキットに重きを置いたレース・モデルは多少ピーキーに過ぎる印象があるが、ウラカンGT3は例外中の例外。極端な話、一般道でも普通に走らせられるのではないかと思ったほどだ。

もし筆者に£266,000(5,048万円)ほどの資金があれば(あくまでこれは車体代のみだが)24時間レースに供したいとも考えた。

またこれほど信頼できるトラクション・コントロールを開発したのであれば、もはや4WDシステムもいらないとさえ思える。それほど自由に後輪にパワーを与えられるのだ。

今後ウラカンGT3はブランパン耐久シリーズを戦いの舞台にする予定で、ベントレー、マクラーレン、アウディ、フェラーリとグリッド上で区別しやすくするためにグリーンのボディ・カラーは変えない方針なのだそうだ。

モンツァでは、給油妨害で失格にはなったものの、フェラーリ458の総合優勝を阻止したし、他の458にも苦戦を強いるほどに成長した。フェルッチオ・ランボルギーニの仇討ちが成功する日は、そう遠くなさそうだ。

(マット・ソーンダース)