性能目標はスーパーカーの頂点 米ヘネシー、800ps超&6速MTの新型『ブラックバード』発表 米国空軍偵察機へのオマージュ

公開 : 2026.08.05 11:45

ヘネシーが新型スーパーカー『ブラックバード』を発表しました。6.2L V8エンジンと6速マニュアル・トランスミッションを搭載し、車内にディスプレイは装備されていません。有名な偵察機へのオマージュです。

6.2L V8エンジンを6速マニュアルで

米国のスーパーカーメーカー、ヘネシーは、3番目の完全新型モデルとして『ブラックバード』を発表した。『ヴェノムF5』の後継車であり、「人とマシンのつながり」をコンセプトに掲げている。

ドライビングにおける一体感を重視しているものの、その性能目標はスーパーカーの頂点に位置するものだ。最高出力800~850ps、0-97km/h加速3.0秒未満、最高速度350km/hを誇る。

ヘネシー・ブラックバード
ヘネシー・ブラックバード    ヘネシー

ヘネシーによると、特注のカーボンファイバー製モノコックとカーボンファイバー製ボディを採用することで、乾燥重量を1360kg(3000ポンド)未満に抑えたという。

ブラックバードの心臓部には、NASCARで名高いイルモア・エンジニアリングと共同開発した自然吸気6.2L V8エンジンが搭載されており、レッドラインは9000rpmとなる。パワーは、リンク機構が露出したオープンゲート式6速マニュアル・トランスミッションを介して、後輪に伝達される。

アクティブサスペンション、アンチロックブレーキ、トラクションコントロールなどの電子制御システムが搭載されているものの、運転の醍醐味を存分に味わえるようになっているという。

有名な偵察機へのオマージュ

ヘネシー・ブラックバードは、1960年代に開発され、米国空軍で使用されていたロッキードSR-71ブラックバード偵察機へのオマージュとして構想された。デザイン要素や名称(ヘネシーは名称使用権を取得済み)だけでなく、長距離の異動能力においても影響を受けている。

何よりもまず公道走行を主眼に置き、開発プログラムでは「1日で800マイル(約1300km)以上を快適に走行できる」よう、乗り心地、視界、荷室スペースを優先した。

ヘネシー・ブラックバード
ヘネシー・ブラックバード    ヘネシー

ヘネシーによると、先代モデルであるヴェノムF5よりも室内空間が広く、「フルサイズの機内持ち込み手荷物2個分」を収納できる十分な荷室容量を備えているという。

空力性能も重要な役割を果たしている。SR-71の尾翼をモデルにしたアクティブリアスタビライザーは、時速71マイル(114km/h)を超えると最大71度まで傾き、ダウンフォースを確保する。また、サイドポッド周りは航空機らしい造形となっている。

4本出しのマフラーは、1947年に初めて音速の壁を破ったロケットエンジン搭載機、ベルX-1へのオマージュだ。

随所に航空機モチーフのデザイン

こうした航空機をモチーフにしたデザインは、機能重視のキャビンにもみられる。カーボンファイバーが豊富に使われ、ペダルのリンク機構が見えるようになっているほか、デジタルメーターではなく視認性の高い計器類が配置されている。

シンプルさを追求し、タッチスクリーンではなくスマートフォンマウントを採用したほか、ステアリングホイールにはボタンやスイッチが一切配置されていない。このミニマルなレイアウトにより、フローティング式のセンターコンソールに配置されたシフトレバーがより一層際立っている。

ヘネシー・ブラックバード
ヘネシー・ブラックバード    ヘネシー

現代のスーパーカーとしては異例なことだが、ブラックバードには従来型のイグニッションキーが採用されている。

ヘネシーのデザインディレクター、ネイサン・マリニック氏はAUTOCARに対し、次のように語っている。

「お客様にとって大きな懸念の1つは、納車された瞬間に時代遅れになってしまうようなクルマに乗ることです。クルマは単に運転して楽しむための憧れの対象であるだけでなく、お客様の多くにとっては『運転可能な資産』でもあります。75年後でも運転できる状態で、すぐに壊れて部品も手に入らなくなるような、使い物にならないスクリーンに悩まされることはないでしょう」

マリニック氏は、1960年代のフェラーリ250 GTOのコックピットを、自身のお気に入りの1つとして挙げた。

新たな派生モデルも追加?

ブラックバードは71台限定販売で、2029年にテキサス州で生産開始予定だ。価格は税抜きで250万ドル(約3億9000万円)からとなる。

先代モデルと同様に数年間にわたって生産される見込みであり、派生モデルや特別仕様車も登場すると期待されている。

マリニック氏は「次のモデルについては、まだ考えていません」と語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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