息子5名が拡大しすぎたクルマ作り ライレー・ケストレル・スプライト 1 1/2リッター(1) アールデコ調ボディに高度な4気筒

公開 : 2026.09.19 17:45

アイコンになった流線型のアールデコ調ボディ

スタイリングは、時代を先取りしたもの。1930年代のサルーンには、背が高い箱型のシルエットも多かったが、ライレーは低く流麗なフォルムを実現。モナコやアデルフィ、ケストレルなど、魅力的なモデル名でも誘惑した。

流線型のアールデコ調ボディは、1932年の4ドアモデル、4ライトで登場。スタンレーの息子の1人、アラン・ライレー氏が営んだコーチビルダー、ミッドランズ・モーター・ボディーズ社によって、木製フレームとアルミ製パネルで仕上げられていた。

ライレー・ケストレル・スプライト 1 1/2リッター(1935~1938年/英国仕様)
ライレー・ケストレル・スプライト 1 1/2リッター(1935~1938年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

特にケストレルは、低いルーフラインと滑らかに収束するテール、傾けられたフロントガラスを採用。スペアタイヤは、トランクリッドへ巧妙に積まれた。ハイカム・エンジンを載せたモデル群のアイコンになったといえ、模倣する他メーカーも現れたほど。

スプライトの最高出力は45psから66psへ増強

ケストレル・スプライト 1 1/2リッターのエンジンは、パーシー・ライレー氏が設計したユニットの進化形。クロスフロー・ヘッドは、ヒュー・ローズ氏が手掛けている。これは、戦後の同社で礎的なユニットになった。

スプライトとして、ツーリスト・トロフィー仕様のチューニングを受けており、吸気カムの山は拡大され、バルブは大径化。キャブレターはSU社製の1.25インチ・ツインで、ドーム型ピストンによって高圧縮比化されている。

ライレー・ケストレル・スプライト 1 1/2リッター(1935~1938年/英国仕様)
ライレー・ケストレル・スプライト 1 1/2リッター(1935~1938年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

最高出力は、通常は45ps/4500rpmながら66ps/5000rpmで、かなりの増強だといっていい。今回の車両は、シャシーダイナモの計測で67psを記録したとか。

十字状ブレースを備えるボックス構造シャシーは、トレッドが51インチ(約1295mm)。負圧を利用した、オリジナルの集中潤滑システムは過去に省かれているが、ハブやリーフスプリングなど、オーナーによる定期的な整備は欠かせない。

この続きは、ライレー・ケストレル・スプライト 1 1/2リッター(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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