ロシアの自動車産業はどう変化したか(前編) 揺るがぬラーダ人気 西側諸国の撤退と中国の台頭
公開 : 2026.10.01 17:05
ロシア市場から西欧諸国のメーカーが撤退して以来、中国メーカーへの依存度を深めるなど適応を余儀なくされています。自ら招いた孤立の中で生き残るため、国内の自動車産業はどのように変化してきたのでしょうか。
高級車より目を引くラーダ・ニーヴァ
「正直なところ、12気筒のフェラーリよりも、このクルマの方が人々の注目を集めるんですよ」
英国サリー州の自動車販売店ブラムリー・モーター・カーズのシニア営業担当者、ジャック・モーガン=ジョーンズ氏がこう語っているのは、ショールームに並ぶ高級車のことではない。2万ポンド(約420万円)前後の価格帯で販売されている、まるで別の時代のクルマのように見える小さくて箱型の四輪駆動車、2021年式のラーダ『ニーヴァ・ルクス』だ。現在、英国の公道を走るニーヴァはごくわずかしか残っていない。

「驚くべきことです」とモーガン=ジョーンズ氏は続ける。「路上でこのクルマを見かけると、みんな笑顔になるんです」
ニーヴァの魅力の大きな部分は、往年の時代を彷彿とさせる点にある。
「このクルマは極めて信頼性が高い。すべてが基本に忠実な機械工学です。故障する要素はほとんどありません。もし、いつでも頼りになるターンキーカー(翻訳者注釈:鍵を回すだけで走れるクルマ)が存在するとしたら、おそらくこのクルマでしょう」
しかし、これは、ラーダが目指していた状況とは大きく異なる。2021年、ラーダブランドを展開するロシアの自動車メーカー、アフトワズ(またはアフトヴァース)と当時の親会社であるルノー・グループは、ニーヴァの新世代モデルの計画を発表した。
ニーヴァ大幅改良の裏に見る「苦境」
2つのモデルが計画されていた。1つ目はショートホイールベースのニーヴァで、2025年にロシアで発売される予定だった。2つ目はより大型の『グランド・ニーヴァ』で、2026年の登場が見込まれていた。いずれもルノーのCMF-Bプラットフォームを採用し、西欧諸国での販売も計画されていた。ところが2022年2月、ロシアが予期せずウクライナに侵攻した。
3か月後、ルノーはロシアから撤退し、新型ニーヴァの計画は中止となった。

アフトワズは今年、実に半世紀近い歴史を持つニーヴァの改良型1.8Lエンジン搭載モデルを発表した。米モビリティ・グローバル社のアナリスト、スヴャトスラフ・クチコ氏によると、販売は9月中に開始される見込みだという。
西側諸国から厳しい制裁を受けているロシアが、いかにしてニーヴァの開発を継続できたのか。また、この開発はロシアの自動車業界について何を物語っているのだろうか。
英グローバルデータ社がAUTOCARに提供したデータによると、戦争が始まる前の2021年、ロシアでは153万台の新車が販売された。ラーダの市場シェアは約22%だったのに対し、欧州、米国、日本、韓国のブランドは合わせて69.6%を占めた。対照的に、中国の市場シェアはわずか7.5%にとどまっていた。





















































