クーペと差はどの位? ポルシェ911 カレラ4 GTSカブリオレ(1) オープンで+75kg 四駆で+50kg 541psのT-ハイブリッド

公開 : 2026.03.26 18:05

541psのT-ハイブリッドになった、911のGTS。クーペとカブリオレの性能差はどの程度なのでしょう。剛性低下に重量増加は? 四輪駆動のカレラ4で、UK編集部が走りの違いへ迫ります。

911 カブリオレとクーペの性能差は?

一般的に、カブリオレの走行性能は、同モデルのクーペへ劣る。本来の実力を探るには、ポルシェ911でも、クーペを選ぶのが正攻法といえる。だが市場では、大空を仰ぎ見ながら運転できるカブリオレは、支持率が高い。

それでは、992.2型からルーフを切断すると、どの程度の違いが表れるのだろう。技術の進化で、トレードオフは従来より縮まったことは間違いない。次期型が2028年に控える今、541psで四輪駆動のカレラ4 GTS カブリオレに乗り、それを確かめてみたい。

ポルシェ911 カレラ4 GTSカブリオレ(英国仕様)
ポルシェ911 カレラ4 GTSカブリオレ(英国仕様)

ご存知の通りカレラ4 GTSは、T-ハイブリッドという名の電動化技術を採用。フィンが縦に並ぶ、フロントバンパー両脇のインテークで差別化される。アクティブエアロの一部をなし、閉じれば空気抵抗を減らせ、全開なら気流量を25%増やせるという。

現行のカブリオレは、ソフトトップがボディへ見事に収容され、スタイリングの美しさはクーペへ劣らない。モノコック構造は概ね同じだが、より多いアルミ製プレートが用いられ、強度が保たれている。Aピラーは、複合素材で補強されてもいる。

小さく畳まれるソフトトップ 前方の収納は減らず

ソフトトップは油圧で開閉し、リアウインドウはガラス製で、骨格は軽量・強固なマグネシウム製。折り畳まれると、高さ方向は230mmに収まる。広くない後席の裏には、センサーが横転を感知すると飛び出す、合金製のロールオーバーバーが隠れている。

50km/h以下なら、走行中でもソフトトップの開閉は可能で、音声で指示も出せる。12秒で完了するから、信号の待ち時間でも問題ないはず。ちなみに、アストン マーティンヴァンテージロードスターは7秒と、更に速いが。

ポルシェ911 カレラ4 GTSカブリオレ(英国仕様)
ポルシェ911 カレラ4 GTSカブリオレ(英国仕様)

前方のボンネット内には、幅が700mmある135Lの収納がある。四輪駆動で、1.9kWhの駆動用バッテリーが載るカレラ4 GTSでも、後輪駆動のカレラと容量は変わらない。

オープン化で+75kg 四輪駆動で+50kg

カレラ4 GTSの四輪駆動システムは、ポルシェ・トラクション・マネジメントと呼ばれるもの。8速デュアルクラッチATの横に、電子制御のマルチプレートクラッチが実装され、前後のトルク分配が調整される。最大で50%を、前方へ送ることが可能だ。

基本的にはリアアクスルのみで走り、フロントのデフは、リミテッドスリップではないオープンタイプ。ステアリングの感触を、自然に保つ狙いがある。

ポルシェ911 カレラ4 GTSカブリオレ(英国仕様)
ポルシェ911 カレラ4 GTSカブリオレ(英国仕様)

ソフトトップ関連の装備で、カブリオレの車重はクーペの75kg増し。更にカレラ4では、フロントの駆動系が載り、後輪駆動の911より50kg程重い。カタログ値の車重は1770kgだが、AUTOCARの計測では63Lのガソリン込みで1760kgだった。

前後の重量配分は37:63で、後輪駆動のカレラと同値。前方へ追加される駆動システムと、後方へ載るソフトトップとで、バランスが取れているのだろう。メルセデスAMG SL 63 コンバーチブルは1939kgだから、同クラスでは軽い側にある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ポルシェ911 カレラ4 GTSカブリオレの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事