アストン マーティン、少なくとも2033年までEV発売せず V8とV12エンジンに注力 不確かな需要と法規制に適応

公開 : 2026.10.07 17:05

アストン マーティンは少なくとも2033年まではEVを発売せず、V8およびV12エンジンの生産を継続する意向を示しました。EV需要の不透明さや法規制の変化を受け、動向を注視しながら製品刷新に着手するとのこと。

具体的なスケジュールは未設定

アストン マーティンのエイドリアン・ホールマークCEOによると、同社は少なくとも2033年まではEVを発売せず、2035年まではV8およびV12エンジンを搭載したモデルを確実に販売できるよう「ロードマップ」を策定している。

ホールマーク氏は2024年9月にベントレーからアストン マーティンに移籍したが、以前は2030年までに同社初のEVを発売すると示唆していた。これは、前経営陣が策定した2027年という目標からの延期を示すものであった。

アストン マーティンが電動化計画を見直している。
アストン マーティンが電動化計画を見直している。    アストン マーティン

しかし、英国に開設されたアストン マーティンの新ショールーム「Qロンドン(Q London)」のオープニングイベントで、同氏は集まったメディアに対し、EVに対する顧客の需要や法規制が「どの自動車メーカーも対応しきれないほど急速に変化している」と述べた。

その結果、アストン マーティンは選択肢が「スパゲッティ・ジャンクション(混雑した交通網)」のように複雑に絡み合っている状況に直面しており、現在は特定の市場や地域ごとにシナリオの「ストレステスト」を継続的に行っている。そのため、EV発売については、もはや明確な日程を設けていない。

メルセデスらとの提携関係は継続

ホールマーク氏は、「(特定の市場において)2035年の直前までに、法規制を遵守するためにBEVが必要になります。具体的な日付はまだ定まっていないため、明言はできません。2035年かもしれませんし、2033年かもしれませんが、その3年間の範囲内です。2031年ではありません」と述べた。

また、「BEVを否定しているわけではなく、導入を先送りしているだけ」だと強調し、2035年(英国およびEUの現行法規により、販売されるすべての新車がゼロ・エミッション車であることが義務付けられる)までの期間については、「主に内燃機関車を主力とします」と説明した。

アストン マーティンDBX S
アストン マーティンDBX S

アストン マーティンは、米国のルーシッドとEV技術に関する契約を結んでおり、現在のエンジン供給元であるメルセデス・ベンツとも提携関係にある。しかし、スケジュール上の都合から、今後3年間、EVへの大規模な投資を先送りする可能性があるとホールマーク氏は述べている。

「ルーシッドとの契約は締結済みですが、興味深いのは、わたし達が導入を遅らせたため、契約を発動する頃には、得られる技術が当初の契約時に合意した内容とはまったく異なるものになっているという点です。また、パワートレインや電子システムに関してはメルセデス・ベンツとも協力しており、その提携関係をさらに深めていきます」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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