エンジン&シャシーが全方位で進化 アストン マーティン DB12 S(1) 700psへ増強し38kg減量 エアロと3色コーデで醸す特別感

公開 : 2026.09.25 18:05

700psのV8ツインターボに専用サスなど、全方位で進化を果たしたと主張されるアストン マーティン DB12 Sに、UK編集部が試乗します。野性味溢れるパワー感に、サイズを感じさせない身のこなしに注目です。

エンジンもシャシーも全方位で進化

敏腕技術者、エイドリアン・ニューウェイ氏が関与したハイパーカーに、ビデオゲーム向けに提案されたオフローダー。最近のアストン マーティンは大胆な話題に溢れているから、定番といえるDB12の存在感は、少し薄れているかもしれない。

だが、ブランドを端的に体現するモデルこそ、DB12。フェラーリ・アマルフィやポルシェ911 ターボSなどと、真っ向勝負できる実力を備える。そんな有力車へ、新たに追加されたのが「S」。エンジンもシャシーも、全方位で進化を果たしたと主張される。

アストン マーティン DB12 S(英国仕様)
アストン マーティン DB12 S(英国仕様)

1953年のDB3 S以来、同社は「S」を冠した高性能モデルを生み出してきた。だが近年はラインナップを拡充し、テリトリーを拡大する目的で、積極的に展開されている。

アストン マーティンは、秀抜だったDBS スーパーレッジェーラをベースに、DBS 770 アルティメットを仕上げた過去がある。その手腕を鑑みると、期待は大きい。

AMG由来の4.0L V8ツインターボは700psへ

DB12は、そもそも存在感が半端ない。価格帯はアマルフィと並ぶが、サイズ感はフェラーリ 12チリンドリ級。さらにSでは、専用アイテムで差別化される。フロントやサイドのアンダースポイラーに、ボンネットのルーバー、リアのリップスポイラーなどで。

このリアスポイラーは、通常のBD12に備わる、アクティブエアロを置換するもの。ボディキットによる重さを、相殺する目的もある。全体的には、控えめな仕立てだ。

アストン マーティン DB12 S(英国仕様)
アストン マーティン DB12 S(英国仕様)

他方、AMG由来の4.0L V8ツインターボエンジンは、20ps増しの700psを獲得。トルクカーブも全体的に強化されている。このエネルギーは、改良を受けたトランスアクスル配置の8速ATと、トルクベクタリング機能付きリアデフを介し、後輪へ伝えられる。

チタン製マフラーで最大50kg減量可

サスペンションには、ビルシュタイン社製DTXアダプティブダンパーを採用。より線形的な操縦性と、安定した姿勢制御を叶えたという。ネガティブキャンバーが強められ、リアのアンチロールバーは強化され、コーナーでの敏捷性を磨いている。

パワーステアリングは、切り始めの精度や手のひらへ伝わる情報量を改善。AMLの刻印入りミシュラン・パイロットスポーツS5は、前が275、後ろが325の幅を持つ。

アストン マーティン DB12 S(英国仕様)
アストン マーティン DB12 S(英国仕様)

ブレーキは、バネ下重量に効くカーボンセラミック・ディスク。カタログ上の車重は1745kgで、標準のDB12より38kg軽い。縦に2段重なったテールパイプが勇ましい、オプションのチタン製アクティブ・スポーツエキゾーストも組めば、更に12kg削れる。

ボディタイプはクーペの他、コンバーチブルのヴォランテも選択可能。その価格差は、1万3500ポンド(約290万円)となる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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