コンセプトが近似した2台 フォード・マスタング & トライアンフ・スタッグ(1) V8エンジンを積んだ2+2のソフトトップたち

公開 : 2026.10.18 17:45

初期型で特に悩まされた信頼性

自社製の新型エンジンを採用したことで、スタッグの初期型は特に、信頼性に悩まされた。製造品質も、高いとはいえなかった。ところが、イアン・コリアー氏が所有する1971年式を運転すると、それを疑うほど印象は良い。

スタッグの生産は2万5939台に留まったが、英国のファン層は厚く、今でも6000台以上が現存し、4000台以上が路上を走っている。EJウォード社など、トライアンフを得意とするガレージが不具合を正し、望ましい状態へ改善してきた結果だ。

トライアンフ・スタッグ(1970〜1977年/英国仕様)
トライアンフ・スタッグ(1970〜1977年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

コリアーのスタッグも、EJウォード社によってレストア済み。オーバーヒートの頻発は、冷却系の設計不備が原因だと、同社のミック・ウォード氏は説明する。エキスパンションタンクの位置が低く、クーラントが循環しにくいらしい。それも、対策済みだ。

生産初期にはバルブトレインの不具合も多かったが、トライアンフが対策を講じたのは1973年。その間に北米市場での不満は限界に達し、英国や欧州と異なり、サイドシルがブラックに塗られた改良後のスタッグ Mk2は提供されていない。

短距離なら大人でも座れるリアシート

ミケロッティによるスタイリングは、エキゾチックでエネルギッシュ。バランスも良く、軽やかなV8サウンドをBGMにしながら、初秋の田舎道を流したくなる。

最高出力は147psで速いわけではないが、最大トルクは23.4kg-mと不満なく、最高速度は189km/h。3速ATの他、オーバードライブも組めた4速MTを選択できたが、この車両には前者が備わる。右へオフセットするMTと異なり、ペダル配置は自然だ。

トライアンフ・スタッグ(1970〜1977年/英国仕様)
トライアンフ・スタッグ(1970〜1977年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

着座位置は高めで、視界が広くシートは快適。ダッシュボードは、サルーンの2000と共有する。ウッドパネルが贅沢に用いられ、6連メーターは確認しやすく、装備は充実。3スポーク・ステアリングはレザー巻きで握りやすく、上下・前後と調整幅も広い。

+2のリアシートはベンチ。トノカバーとウィンドディフレクターを外せば、短距離なら大人でも問題なく過ごせるだろう。カンバストップは、きれいに畳まれ収納される。

この続きは、フォード・マスタング & トライアンフ・スタッグ(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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