好戦的ボディキットで武装 トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(1) 280馬力の1.6L 3気筒ターボ 英国では人を選ぶ高額に

公開 : 2026.10.22 18:05

ラリー・ホモロゲのトヨタ GRヤリスに、好戦的なエアロキットで武装したエアロパフォーマンスが登場しました。280psの1.6L 3気筒ターボと四輪駆動システムが生む刺激的な走りを、UK編集部が確かめます。

エアロパフォーマンスは人を選ぶ英国価格

排気ガス規制のハードルを巧妙にかいくぐる、トヨタ GRヤリス。同社が20年ぶりに自ら生み出した、ラリー直系のホモロゲーション・モデルは、シリアスな性能で発売直後から熱い支持を集めてきた。一時、英国では納車まで2年以上待つ必要があったほど。

当初は3万ポンド以下と、お手頃な価格も魅力だった。世界ラリー選手権への参戦要件を満たすには、2万5000台以上の販売が必要で、それを見据えた設定だったといえる。だがCO2排出規制の強化に伴い、過度な販売はトヨタにとっての不利益にも繋がった。

トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)
トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)

結果的に、英国では2022年にGRヤリスの販売は休止。それでも、2024年の大改良を経て、再びわれわれへ届けられるようになっている。販売数は制限され、英国価格は4万4000ポンド(約915万円)へ上昇しているが。

今回試乗したのは、2026年に登場したエアロパフォーマンスで、5万2295ポンド(約1088万円)。もはや、乗る人を選ぶ金額といえる。

アプデで1.6L 3気筒ターボは280psへ

これまで、複数回のアップデートを受けてきたGRヤリス。2024年の改良では、シャシー剛性が高められ、アクスル関連は改良。ドライビングポジションも見直されている。同時に、販売傾向を受けて選択できる仕様は絞られている。

3ドアのモノコック構造は専用設計で、ボディはスチールの他、アルミやカーボンなどを適材適所に利用。サスペンションは、TNGA-BとTNGA-Cの部品を組合せた、独立懸架式を前後に採用し、2024年仕様では再チューニングが施された。

トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)
トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)

エンジンは1.6L 3気筒ターボ。発売当初の最高出力は261psだったが、バルブトレインやインジェクター、ピストンなどを改良し、280psへ増強されている。この馬力は、クラッチベースの四輪駆動システムと、前後アクスルのトルセン式LSDが受け止める。

また、冷却系やクラッチも強化。四輪駆動システムの制御も、変更を受けている。

好戦的なエアロキットで武装し鮮烈な印象

発売時はオプション扱いだったサーキットパックは、現在の英国仕様では標準装備。18インチのアルミホイールや強化サスペンション、高剛性なフロント・アンチロールバーなどが組まれる。

試乗車のエアロパフォーマンス仕様では、写真のとおり、好戦的なエアロキットで武装。エンジンルーム内の熱を逃がす、ボンネット上のエアアウトレットが勇ましい。高速域での操縦性や安定性を高める、3段階の調整式リアウイングも背負う。

トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)
トヨタ GRヤリス・エアロパフォーマンス(英国仕様)

フロントフェンダー後方にもエアアウトレットが切られ、ブレーキの熱を逃しつつ、空力も整えられる。主張はそこまで強くないが、より鮮烈な印象を生んでいる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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