トヨタの新型スーパースポーツカー『GR GT』は2027年量産化 WECのGT3参戦と表裏一体で市販車デビュー目指す

公開 : 2026.09.30 11:45

トヨタがGRブランドのフラッグシップモデルとして開発中の『GR GT』が、2027年に量産される計画です。世界耐久選手権(WEC)第6戦の富士6時間耐久レースで、その動向について桃田健史が取材しました。

一部報道でGR GTの販売資料が流出

トヨタがGRブランドのフラッグシップモデルとして開発中の新型スーパースポーツカー『GR GT』が、2027年に量産される計画だ。世界耐久選手権(WEC)第6戦の富士6時間耐久レースで、その動向について取材した。

グランドスタンド裏のイベント広場には、ル・マン24時間を筆頭とするWECで戦ってきたトヨタの歴代レーシングマシンたちが展示された。それらと並んで、『GR GT』と『GR GT3』の姿があり、その周辺を常に多くの人が取り囲む。

2027年に量産される予定の『GR GT』。写真はそのプロトタイプ。
2027年に量産される予定の『GR GT』。写真はそのプロトタイプ。    トヨタ自動車

展示車両の管理関係者によれば、一部報道でGR GTの販売資料が流出したこともあり、来場者からは様々な質問を受けるのだが、現時点で答える立場になく少々困っていると話す。

トヨタGAZOOレーシング(GR)は2025年12月5日、GR GTとGR GT3を発表し、開発中のプロトタイプ車両を世界初公開した。

GR GTのボディ寸法は、全長4820mm×全幅2000mm×全高1195mm、ホイールベースは2725mm。車体骨格はオールアルミニウムで車両重量が1750kg以下の2人乗りだ。

エンジンは排気量3998ccのV型8気筒ツインターボで、新開発の8速オートマチックトランスミッションとトランスアクスル内蔵の1モーターハイブリッドとの組み合わせるFR(後輪駆動車)。

システム出力は650ps以上、システム最大トルクは850Nmで最高速度は時速320km以上に達する。

2027年WEC参戦を念頭に開発中

GR GTの発売時期については、世界初公開時は『2027年頃』というにとどめている。

そこで今回、WEC富士6時間耐久レース決勝前に行われた、トヨタの取締役副社長CTO(最高技術責任者)でトヨタ・レーシング会長の中嶋裕樹氏らと記者との懇談の場で、筆者から中嶋氏にGR GTの量産について質問した。

トヨタの取締役副社長CTO(最高技術責任者)でトヨタ・レーシング会長の中嶋裕樹氏(左)。
トヨタの取締役副社長CTO(最高技術責任者)でトヨタ・レーシング会長の中嶋裕樹氏(左)。    桃田健史

「現時点では、2027年頃としているが、これは2027年WECシーズン等に出場して、それに伴いGR GTが量産されるのか?」

これに対して、中嶋氏は「基本的にはその認識で間違いない。レースに出て(量産車を)市販化するのは大きな目標だ」とした。

その上で、レーシングマシンを外部に販売するという事業について「お客様に実際にレースで使っていただく。その中での要素的な技術を我々がしっかり支えるという(ハードウェアとカスタマーサポートの)セットでビジネス化することになる」との認識を示した。

正式デビュー時期については「(開発が進んでおり)最後の仕上げにミスがないように、お客様にご迷惑にならないように万全を期してデビューさせたい」と回答した。

GR GT3のレース参戦と、GR GTの量産化はまさに、ニワトリと卵の関係にあることが今回、改めて分かった。

果たして、GR GT3はWEC2027シーズンの開幕戦に登場するのか。それとも、ル・マン24時間、はたまた1年後の富士6時間耐久レースでのデビューとなるのか。

今後もトヨタの動きを定期的にウォッチしていきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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