B~Cセグメント級ミドシップ4WDスポーツという夢 『GRヤリスMコンセプト』を渡辺敏史が取材(後編)
公開 : 2026.06.06 12:05
2025年東京オートサロンで発表された『GRヤリスMコンセプト』は、この週末に富士スピードウェイで開催されている24時間耐久レースに参戦するなど、実戦開発のフェーズに入っています。渡辺敏史による取材レポート後編です。
唖然とさせられっぱなし
*『GRヤリスMコンセプト』を渡辺敏史が取材(前編)の続きです。
本気の方々が本気でここを走ると、こんなスピードやライン取りになるのかと、こちとら唖然とさせられっぱなしだったのは正直なところだ。サーキットとは異なりエスケープの小さなテストコースの全幅を使って速度を乗せれば、(トヨタテクニカルセンター)下山では体験したことのない速度域でみるみるガードレールが迫ってくる。

ジャンピングスポットではクルマが本当に気の毒になってくる、そこまで攻め込んだ走りを、まずは『GRヤリスGRMN』に乗る大嶋和也選手の横で体験させていただいた。
ある意味『GRヤリスMコンセプト』のベース車ということになるが、その動きはまさに水を得た魚。クルマの全てを引き出して走るプロフェッショナルの速度域になれば、フットワークや回頭性には軽やかさを超えたしなやかさすら感じられる。
GRヤリスってこんな上質なクルマだったのかとその動きに驚かされるが、文字どおり意のままとも思える運動性能も注意深く観察していると、一定舵角の旋回時にも曲がりを待つような様子が感じ取れた。
もちろんプロはそこから更に曲げていく引き出しをいくつも備えているのだろうが、この些かのアンダーステアをもっと抜本的に改善できないかということがMコンセプトの開発の端緒になったことは想像できる。
「神に祈る時間」
トヨタ自動車の豊田章男会長曰く「神に祈る時間」というそれは、いかに軽減できたのか。
佐々木雅弘選手のドライブするMコンセプトの横で、その動きを味わわせてもらう。車両は試作としては5代目にあたるが、現在S耐を走っているのが6代目ということなので、開発年次的にはかなり進んだ個体といえるだろう。

コースイン直後に迎える最初の登り坂でまず感じたのは、開発途上のG20系ユニットが想像以上に快音を伴う軽やかな回転フィールをもっていたことだ。
みるからに大径のタービンを回しながらもトルクの変動やパワーの伸びにピーキーなところは感じられない。現状は400ps程度ということで余力的には充分と、その範疇でいえば大排気量のNAユニットのような気持ちよさがある。
さりとて明らかにGRヤリスを上回る力感で登り路面を蹴り出していると、その荷重変化も相まってアンダーステア傾向が強まりそうなものだが、Mコンセプトは30:70の駆動配分設定がバチッとハマっているのか、或いはそもそものトラクション能力の高さも奏功しているのか、外にアタマが膨らんでいくような動きは綺麗に抑えられていた。
パワーをぐいぐい掛けていっても、溜めなくインについていく感触からは確実にベース車と異なる素性が感じられる。でも、傍らから佐々木選手のドライビングをみていると、やはり修正舵は多く、曲げるために細かなテクニックを駆使していることが伝わってくる。後方から容赦なく吹き込むエンジンノイズや熱波の只ならぬ臨場感も含めて、開発途上の苦労が透けて見えるかのようだ。























































