【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#43 奇跡的かつ理想的な復活!ホンダ・プレリュードに関するデートカー論

公開 : 2026.10.16 12:05

24年の時を超えて奇跡の復活!

そして昨年。24年の時を超えて、プレリュードは奇跡の復活を果たした。

最初はそのカッコを見て、「これがプレリュード!?」と思いましたが、試乗会で実物に乗ったところ、まぎれもなくプレリュードでした。それはつまり、当時のデートカーにあった『ある種の気恥ずかしさ』が濃厚に感じられたからである。

24年の時を超えて、プレリュードは奇跡の復活!
24年の時を超えて、プレリュードは奇跡の復活!    清水草一

2代目、3代目プレリュードは、極限までカッコを付けたスペシャルティカーで、そのカッコつけすぎな雰囲気が、「お前、そんなにモテたいのかよ!」みたいな気恥ずかしさを生んでいた。実際プレリュードはモテたので、問題なかったんですけど。

現在のプレリュードは、あの頃のプレリュードとはぜんぜん違うカッコだけど、前につんのめったみたいなクーペスタイルには、どこか無理してカッコつけてる感じがある。中高年でも乗り降りがラクなようにという配慮なのか、車高はだいぶ上がっていて(3代目の+60mm)、その分全幅に対して全高が高すぎるようにも見える。

そういうちょっとチグハグなところが、5ナンバーサイズに縛られていた昭和のスポーツクーペ感を微妙に醸し出してもいる。

若かりし頃のデートカーブームが鮮明に蘇る!

私は復活プレリュードに乗って、若かりし頃のデートカーブームが鮮明に蘇り、目頭が熱くなった。

復活プレリュードの2リッターe:HEVは、ものすごく気持ちいい。疑似ステップ変速や疑似スポーツサウンドも超快感だ。しかも、それほど速くない! そこがいい! デートカーは速すぎちゃイカン! これぞデートカーのあるべき姿!

私は復活プレリュードに乗って目頭が熱くなった!
私は復活プレリュードに乗って目頭が熱くなった!    清水草一

もちろん中高年になった我々は、復活プレリュードに乗ったところでモテない。しかし、おっさんがひとりで乗っていても、あの1980年代の空気感はビリビリ感じられる。

当時のデートカーは、現在すべて消滅している。ガゼールはもちろん、シルビアもソアラも今はない。そんな中、プレリュードだけが復活した。しかもそれは、信じられないほど理想的な姿だったと私は思うのである。

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は10月30日金曜日公開予定です)

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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