フィアットが新型モデル『コアラ』導入へ シトロエン2CVとプラットフォーム共有の低価格EV パンダシリーズは「クマ」由来の命名戦略

公開 : 2026.10.21 11:45

なぜ「コアラ」と名付けるのか

「フィアットはラインナップの下位モデルを刷新しているところです。現在はパンディーナですが、500も含まれます。2CV(コンセプト)の完成度の高さは明らかであり、わたし達もまったく同じ完成度を目指しています。適切なタイミングで公開します」とベローニ氏は語った。

この新型EVはパンダファミリーに属するものの、必ずしも「パンダ」の名を採用するわけではない。ベローニ氏は、フィアットが『コアラ(Koala)』という名称の商標登録を行ったことを明かした。これは、パンダシリーズの各モデルにクマ由来の名前を付けるという命名方針に沿ったものだ(翻訳者注釈:分類上、コアラはクマの仲間ではありませんが、英語圏では「コアラ・ベアー」と呼ばれることがあります。ちなみに日本語のコアラの別名は「子守熊」だそうです)。

フィアット・グランデ・パンダ
フィアット・グランデ・パンダ

ベローニ氏は、「コアラは今やフィアットのものです。わたし達はコアラ、パンダ、そしてグリズリーを揃えています」と述べた。

こうした命名により、今もイタリアでベストセラーである内燃機関搭載のパンダとは区別されることになる。また、フィアットは、手頃な価格のガソリン車の生産を継続することを約束している。

今年初め、AUTOCARの取材に対し、フィアット欧州部門の責任者ガエターノ・トーレル氏は「パンダというファミリーに対して、適切な答えを見つけなければなりません。マルチエネルギーソリューションが必要です」と語っていた。

学生のデザイン案からヒントを得る

新型EVは、お馴染みのパンダのデザイン要素を取り入れると予想されるが、ベローニ氏は、過去のモデルをそのまま復活させることは否定した。「ネオレトロではなく、まったく異なるアプローチ」だという。

デザイン責任者のルボワン氏は、フィアットが今年初めにイタリアの大学生を対象に開催したEVデザインコンテストについて言及した。一般投票の結果、優勝したのは『イッポ(Ippo)』というコンセプトカーだった。歴代のパンダを彷彿とさせる角ばったハッチバックであり、フィアットはこのデザインを新型車の参考にする可能性がある。また、準優勝作である『ルモ・ス・ミズーラ(Lumo Su Misura)』や『フィズ(Fizz)』からも影響を受ける可能性がある。

学生がデザインした『イッポ』コンセプト。
学生がデザインした『イッポ』コンセプト。

フィアットはその後、戦略プレゼンテーションでイッポをムルティプリナやグリズリーと共に披露し、このデザイン案を高く評価していることを示した。また、学生7名をデザインスタジオで研修生として採用し、そのうち4名は現在も在籍している。

ルボワン氏は、学生らが「わたし達を驚かせ、共感させるクールなアイデア」を持ち寄ってくれたとし、将来のフィアット車に影響を与えていると語った。

「そこからいくつかの要素を取り入れることができました。今、彼らはフィアットで働いており、アイデアが形になっていくのを目の当たりにしています。それは素晴らしいことです。現状にはかなり満足していますが、これ以上のことは言えません」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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