ジープの低価格EV『ウィリス』導入? スズキ・ジムニーに新たなライバル 軍用車ルーツのオフローダー検討中 欧州向けラインナップ刷新へ

公開 : 2026.10.21 07:45

ジープは2030年以降に展開する低価格EVとして、第二次世界大戦で活躍した軍用車『ウィリス』の復活を検討しています。公開されたティーザー画像には、コンパクトなSUVのシルエットが映っていました。

ブランドの原点に回帰

ジープは、台頭する中国メーカーに対抗するため、同社の原点とも言える伝説的な軍用オフロード車『ウィリスMB』の復活を検討している。

パリ・モーターショーで講演したジープブランドのCEO、グザヴィエ・プジョー氏は、ウィリスを「重点的に注力する」対象だと位置づけた。今後数年間で実現する可能性のあるいくつかの「新しいアイデア」の1つであり、「中国の新規参入メーカーに対する反撃の切り札」になるという。

パリ・モーターショーで公開された『ウィリス』のティーザー画像。ウィリスMBの背後の影が、新型車のシルエットとなっているようだ。
パリ・モーターショーで公開された『ウィリス』のティーザー画像。ウィリスMBの背後の影が、新型車のシルエットとなっているようだ。    ジープ

「欧州に限らず、すべてのブランドが同じ状況に直面しています。この攻勢に対抗するためのわたし達の主な武器の1つは、DNAです。人々は『オリジナル』を求めています。ジープには、可能な限り強さを保ち、本来の価値観と結びついたままであってほしいと期待しているのです」とプジョー氏は語った。

ただし、計画はまだ初期段階にあるため、「今年や来年といった具体的な発売時期については現時点では確認できない」としている。

プジョー氏は、ウィリスはジープの新戦略「Road to 2030」が完了した後のプロジェクトであり、「ウィリスに関する構想」は2020年代末までに固めると示唆した。

四輪駆動のコンパクトSUVに

多くの点は未定だが、プジョー氏は「BEVの手頃な価格」やコンパクトさといった特徴を強調した。つまり、ウィリスはEVになると予想される。現在『アベンジャー』を展開しているBセグメントにおける計画について記者に問われると、プジョー氏はウィリスのプロジェクトに言及した。

この構想は、ステランティス傘下の兄弟ブランドであるシトロエンとフィアットが、今後発売予定の2CVやパンダファミリーの小型モデルにおいて掲げている方針と一致する。これらのモデルは、小型の低価格EVの販売を促進するために欧州連合(EU)で策定された「Eカー」規制に基づくものだ。

ジープは自らの原点となる『ウィリス』の復活を検討している。
ジープは自らの原点となる『ウィリス』の復活を検討している。    AUTOCAR

ジープは、第二次世界大戦で活躍した軍用車をルーツとする実用重視のモデルで、他のラインナップと差別化しようとしているのかもしれない。

プジョー氏は「将来のラインナップにおける各モデルは4WD対応となる」と述べており、これは2CVやパンダとのさらなる差別化要因となるだろう。

ジープが公開したティーザー画像には、オリジナルのMBの背後に新型車のシルエットが映っている。短く角ばった形状と切り立った前後端、テールゲートに装着されたスペアタイヤなどが確認でき、その姿はスズキ・ジムニーを彷彿とさせる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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