フォルクスワーゲン、小型ディーゼルから撤退

公開 : 2017.02.08 03:50  更新 : 2017.06.01 00:30

フォルクスワーゲンは、小型ディーゼル・エンジンを2018年のポロから導入されるマイルド・ハイブリッド・ガソリンにスイッチする予定。これは、より厳しくなるCO2規制への対応と、小型ディーゼルの需要の低下がもたらしたものだという。

フォルクスワーゲンは、1.5ℓのターボ・ディーゼルの開発を停止した。本来ならば2018年に登場する第6世代のポロに搭載される予定ものだった。

つい先頃公開されたフェイスリフトされた第7世代のゴルフには、1.5ℓ4気筒のダイレクト・インジェクション・ガソリン・ユニットと共に、1.5ℓコモンレール・ディーゼルが搭載される予定だった。しかし、CO2およびNOxに対する厳しい要求をクリアするためにはディーゼル・エンジンではコストが掛かりすぎることと、ヨーロッパのBセグメントのディーゼル・モデルの需要が減っていること、そして昨年のディーゼルゲート・スキャンダルの影響などもあって、小型ディーゼルの開発を中止し、マイルド・ハイブリッド・ガソリンにスイッチしていくことを決定したのだという。

フォルクスワーゲンのR&D責任者であるフランク・ウェルシは、先週スペインで行われたフェイスリフトされたゴルフのラウンチ・イベントの会場で、現行のEA827型1.6ℓディーゼルの後釜について、排出ガス・アフター・トリートメント・システムを追加することはコスト的に合わないと語った。

「排気ガス・アフター・トリートメント・システムを追加するための費用は€600,000〜800,000(7200〜9600万円)の費用を必要とする。これはコスト的に非常に高く、ポロにディーゼル・モデルを継続していく場合には、25%のコスト高となる。」とコメントしている。

ウェルシは、すぐにはすべて撤退というわけではないというが、EA827が市場から姿を消すのは3〜4年、いや5年かかるだろうと語った。また、ポロに採用されている1.4ℓ3気筒ターボ・ディーゼルも当然とりやめとなる。但し、その次期については明言していない。

この小型ディーゼルに変わるものが、マイルド・ハイブリッドとなるのだという。ウェルシによれば、マイルド・ハイブリッドは、CO2とNOxの排出を減らせるだけでなく、コスト的にも安いというのだ。また、48Vエレクトリック・システムとの組み合わせでは、従来のものよりも4倍の回生エネルギーを得ることができるという。

その一報で、EA288型として知られる2.0ℓ4気筒ディーゼル・ターボは、引き続き使用されるようだ。2.0ℓについてはまだまだ将来と語っているし、1年、あるいは1年半後には次世代の2ℓディーゼルを発表できるかもしれないとしている。

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