ベントレー初のEV、車内に大型ディスプレイ採用 プロトタイプ発見 モノシリックな「都市型SUV」へ

公開 : 2025.12.22 07:05

ベントレー初のEVのプロトタイプが、厳寒のスウェーデン北部で発見されました。『ベンテイガ』に似たボンネットや一体感のあるモノシリックなフォルム、そしてインテリアデザインも一部明らかになりました。

スウェーデンで冬季テスト中

ベントレー初のEVのプロトタイプが、欧州で目撃された。2026年末に予定されている正式デビューに向けて、スウェーデン北部の極寒環境でテスト走行を行っていた。

ベンテイガ』を思わせるボンネット、量産仕様のフロントライト、低く構えたワイドなフロントエンドが確認できる。全体的にモノリシックな形状は、明らかに最近のコンセプトモデル『EXP 15』から影響を受けている。

新型EVは『EXP 15』コンセプト(画像)のデザインの影響を受けている。
新型EVは『EXP 15』コンセプト(画像)のデザインの影響を受けている。    ベントレー

ただし、プロトタイプのフロント部分とリアの大部分はカモフラージュで覆われており、細部のデザインを見ることはできない。

今回初めて、インテリアの様子が確認された。ベンテイガで特徴的な丸みを帯びた金属製エアベントと、近縁車種である新型ポルシェカイエン・エレクトリックの最新装備(14.25インチの曲面デジタルインストゥルメントパネルと14.9インチのインフォテインメント・タッチスクリーン)を組み合わせているようだ。

ベントレーの発表によれば、総面積30平方メートルのレザーに、合計150mの糸で13万針の縫製を施すという。

カイエンとの共通性はいかに

これまで、ポルシェとアウディが共同開発したPPEプラットフォームを採用することは明かされているが、詳細は依然として乏しい。ただ、ベントレーの研究開発責任者であるマティアス・ラーベ氏は最近、市場最速クラスの充電性能を持ち、わずか6分半の充電で約160km走行できることを明かした。

このことから、最大350kWの充電速度を実現する可能性がある。参考までに、現在英国で販売中のEVで最も充電速度が速いのはロータスエメヤで、最大400kWに対応する。

新型EVは、ポルシェ・カイエン・エレクトリック(画像)と同様の大型ディスプレイを搭載するようだ。
新型EVは、ポルシェ・カイエン・エレクトリック(画像)と同様の大型ディスプレイを搭載するようだ。    ポルシェ

ただし、この速度を実現するには、対応充電器の使用が必須だ。英国の平均的な充電器は約120kWで、それ以上の性能を持つ設備はごく一部に限られる。

ラーベ氏はまた、このEVについて「フライングスパーのような快適性とコンチネンタルGTのような俊敏性」を兼ね備えていると説明。0-160km/h加速および0-320km/h加速が「非常に速い」と述べた。

全長5m未満で、ベンテイガよりもコンパクトだ。レーベ氏によると、都市部での使用を想定した設計で、「良好な最小回転半径」を実現しているという。実際、ベントレーはこのモデルを「ラグジュアリー・アーバンSUV」と表現している。

PPEプラットフォームを共有するポルシェ・カイエン・エレクトリックは、デュアルモーター/四輪駆動パワートレインを採用し、ローンチコントロール使用時で最大1156psを発揮する。113kWhバッテリーを搭載し、エントリーモデルで最大642kmの航続距離を実現している。

両車がどの程度共通化されているかは未確認だが、ボディサイズが近いことから、関連性は高いと予想される。

ベントレー初のEVは「2026年末頃」に正式発表され、翌年から納車開始予定となっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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