【第2世代GT-Rレストア&レストモッドも】『ニスモ・ブランド』強化施策発表!日産ブランド全体の価値向上を目指す

公開 : 2025.12.22 11:45

日産とNMCが、『ニスモ』ブランドの価値向上に取り組み、日産ブランドの強化貢献を目指す取り組みを発表。新たなレース参戦やレストアなど、詳しい事業展開を篠原政明がレポートします。

ニスモオーテックジャパンから生まれたNMC

12月16日、日産自動車(以下、日産)と日産モータースポーツ&カスタマイズ(以下、NMC)は、ニスモ・ブランドを通じて日産ブランド全体の価値向上を目指す新たな取り組みを発表した。

NMCは、日本人として初めて国際的なラリーイベントで優勝した難波靖治氏が初代社長となり1984年に設立された『ニスモ(NISMO:ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)』と、スカイラインの生みの親である櫻井眞一郎氏が初代社長となり1986年に設立された『オーテックジャパン(Autech Japan)』が母体だ。この2社が2022年に統合して、NMCが誕生した。

神奈川県横浜市にあるニスモのショールームで今後の取り組みを発表。
神奈川県横浜市にあるニスモのショールームで今後の取り組みを発表。    平井大介

現在、日産は経営再建計画『Re:Nissan』の商品計画において、ハートビートモデルを情熱とDNAを体現するモデルと定義している。フェアレディZやスカイライン、そして新型エルグランドやサファリ(パトロール)などがそれにあたる。

NMCではこの戦略に基づき、ニスモのモータースポーツ活動と、オーテックジャパンのユニークで高品質なクルマ作りを融合させ、伝統を継承するエモーション(感動)とエキサイトメント(ワクワク)を創出することでニスモ・ブランドの価値向上に取り組み、日産ブランドの強化貢献を目指す。

具体的には、3つの事業が計画される。

新たなモデルで新たなモータースポーツにも参戦を計画

まず、モータースポーツ事業においては、レースなどのモータースポーツ活動へ継続的に取り組む。フェアレディZによるスーパーGTやスーパー耐久、そしてフォーミュラEなどに現在も参戦しているが、こうした活動や極限域で磨かれるテクノロジー、ノウハウが、技術的フィードバックとして市販モデルの開発に活かされる。今後は、新たなモデルで新カテゴリーへの参入も計画されているという。

また、技術的フィードバックが日産のスポーツモデルやNMC製のカスタマイズ商品に反映されるだけではない。モータースポーツの現場と市販モデル開発の現場での人材交流が行われたり、レースの現場で培われた精神(競争/ワンチーム/勝つために戦う)も、市販のモデル開発に活かしていくとしている。

モータースポーツのテクノロジー、ノウハウが、市販モデル開発に活かされる。
モータースポーツのテクノロジー、ノウハウが、市販モデル開発に活かされる。    平井大介

次に、カスタマイズ事業。現在、ニスモのロードカーは、ほとんどの日産車にラインナップされている。たとえば、ノート、オーラでは20%、アリアでは15%、フェアレディZやエクストレイルでは10%が、ニスモのロードカーなのだ。いまやエンジン車だけでなく先端電動技術モデルでも、ニスモならではの可能性を追求している。

NMCによる完成車は、オーテック部門が手がける福祉車両なども含めて右肩上がりで出荷台数が増えており、現在グローバルで8~10万台規模で出荷。近年では米国や中近東など海外向けの伸長が顕著だ。将来的には欧州などへも市場を拡大し、2028年には現在の約1.5倍の15万台を目指す。そして海外販売比率も現在の約40%から約60%まで増加させる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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