マツダCX-5、ディーゼルとガソリンを英国編集部が試乗 厳正な評価はいかに?

公開 : 2017.03.23 12:24  更新 : 2017.05.29 19:12

■どんな感じ?

まず、見た目は上々だ。ソフトな印象の先代に代わり、RXビジョン・コンセプトの影響も見受けられる、シャープで熟成されたスタイリングとなった。

その傾向は内装にも見られる。デザインは日本車らしくクリーンで、随所にソフトな触り心地の素材を使用。アイテム類も充実しており、7.0インチのタッチパネルを備えるナビゲーション・システムは標準装備される。

英国におけるグレード展開は未定ながら、今回の試乗車は上位機種となるであろうモデルだ。

ダッシュボードとドア内張りにはレザーがあしらわれ、レザー・シートにはコントラストの利いたステッチが入る。

前後4座にはヒーターが備わり、前後ともUSBポートを2口ずつ設置。ヘッドアップ・ディスプレイも装着され、フロント・ウインドウのドライバー正面部に運転情報を投影する。

特にダッシュボードは単純化されたデザインの好例。しかしながら、ライバルに及ばない箇所もある。

例えばシートのステッチだが、これはフォルクスワーゲンティグアンに敵わない。ただし、マツダは4月の生産開始までには品質改善を果たせるだろうと述べている。

そして、そうした不足を補って余りあるのが、頭上スペースや後席の足元の広さであり、グレードによっては標準装備される電動テールゲートといったアイテムである。

しかし、新型CX-5最大の美点は路上に出てこそ見つけられる。風切り音もロード・ノイズも先代より抑えられ、またカントリー・ロードを飛ばしたときの反応は申し分ないが、そこを強調することこそ開発の優先事項だ。

乗り心地はティグアンのように硬いものではなく、日産キャシュカイ(日本名:デュアリス)のようにバンプをしなやかにいなし、それでいてプッシュした際のボディコントロールはより優れている。

感覚はSUVというよりも、やや速いハッチバックを思わせるものだ。もちろん、コーナリング時のロールは多少あるが、ハンドリング・バランスはよく、乗り心地は快適である。

シャシーは剛性が先代より15%向上し、マツダご自慢のG-ベクタリングコントロールを採用。これは舵角に応じてトルクを制御し、各輪の接地荷重を最適化する技術で、修正舵の必要性を減らすものだ。

また、敏捷性や進路変更のレスポンスも高まったように感じさせ、4WDと組み合わせれば、クロスカントリーでのペースはかなり印象的なものとなる。

試乗車のホイールは19インチで、タイヤはトーヨー・プロクセスR36を履いていたが、グリップは驚くほど強い。試乗の地であるイタリアではコーナーを思い切って攻めることができて、ノーズは常に狙った地点へ向かい、アンダーステアは極めて軽かった。

17インチのヨコハマを履いた仕様は、おそらくコーナリングの速さで19インチ仕様に一歩譲ることとなるが、本来なら大型SUVの得意分野となるような、CX-5特有のバランスや予測のしやすさはそのままに残されている。

さて、エンジンはどうだろう?

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