ル・マン耐久レーサーが市販化 アストン マーティン新型『ヴァルキリーLM』発表 10台限定

公開 : 2025.06.09 18:45

アストン マーティンはル・マン24時間レースに出場するハイパーカーの市販バージョン『ヴァルキリーLM』を発表しました。仕様は耐久レーサーとほぼ変わらず、最高出力707psのV12エンジンを搭載します。

耐久レーサーとほぼ同じ仕様で発売

アストン マーティンは、サーキット専用の新型ハイパーカー『ヴァルキリーLM』を発表した。最高出力700ps以上のV12エンジンとレース仕様の機能を多数採用し、10台限定で販売される。

既存のヴァルキリーAMRプロとは異なり、6月11日から15日にかけて開催されるル・マン24時間レースに出場予定のLMHハイパーカーをベースにしている。つまり、レーシングカーの市販バージョンだ。

アストン マーティン・ヴァルキリーLM
アストン マーティン・ヴァルキリーLM    アストン マーティン

そのため、耐久レース参戦車両と同じ6.5LのコスワースV12エンジンから707psを引き出し、7速セミオートマチック・シーケンシャル・トランスミッションを介して後輪を駆動する。

ただし、エンジンを市販の燃料に対応させるなど、数多くの改良が加えられている。バラストやFIA規制の電子システム、耐久レーサーのトルクセンサーも取り外された。

それ以外は、トップクラスのル・マン・ハイパーカーと同じ仕様だ。6点式ハーネス付きカーボンファイバー製レースシート、消火システム、ピレリ製のサーキット用タイヤはそのまま引き継がれている。

アストン マーティンの耐久モータースポーツ責任者であるアダム・カーター氏は、「ヴァルキリーLMは、WECおよびIMSAで現在参戦中のレースカーとほとんど同じであり、非公認バリエーションとして顧客が楽しめるように、わずかな変更しか加えられていません」と述べている。

アストン マーティンはまた、「究極のトップクラス・モータースポーツ体験」の提供を目的としたオーナー向けサポートプログラムの一環として、車両の保管と輸送も行う。これはフェラーリのXXプログラムと同様だ。

サーキット走行時に車両のセットアップとメンテナンスを行うエンジニアチームを派遣するほか、プロのドライバーコーチとシミュレーターによるトレーニングセッションも用意する。

オーナーは購入後、2026年第2四半期に開催される「限定納車イベント」で初めて自分のクルマを運転することができる。その後、同年後半にはF1規格のサーキットでの走行イベントに招待される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事