ミニ・リマスタード 受注2000件超えに その理由は? 開発者に聞く

公開 : 2017.06.04 18:10  更新 : 2017.06.20 12:18

すみずみまで「狂気的」

公式には、新規製作ではなく、ミニの改装版とされているが、これは旧車のリバイバルに付きものの著作権トラブルに配慮したもの。

車体は既存品をベースに、ブリティッシュ・モーター・ヘリテイジが合法的なレストアの範疇で手掛けたものだが、パネルの継ぎ目も極力消され、新品同様に仕上げられている。

それに、リビルトされた1275ccエンジンをはじめとするオリジナルの装備を組み込んでいく。手作業で行うのは膨大な時間と労力を要する。

ダッシュパネルは、オリジナルの雰囲気を損ねないままに再設計され、エアコン(と丸い4つの送風口)やナビ、高音質オーディオ、ブルートゥース、パワーウインドウやスターターのボタンといった現代風のアイテムが装備される。

それらが後付け感や雑多さもなく、往年のミニ以外の何ものでもない眺めの中に収まっているのが不思議なくらいに出来栄えはみごと。

ブラウンとデザイナーのマイク・サンプソンは、このデザインに多大な苦労を強いられたが、レザーシートやアルカンターラのヘッドライニングも含め、コンパクトでメーカー純正のように見せたいという狙いは存分に果たされている。

オリジナルとの識別点であり、スピードバックGTに似た形状のエレガントなグリルもまた、サンプソンの作品だ。

ルーフガーターはオリジナルより小さく、ボディ後部の斜めのシームなど、ボディ全体の粗は完全に消されている。

トランクにはハンドルがなく、電気式ロックが備わった。サスペンションはラバーコーンを踏襲するが、およそ20種類の市販品を試して選ばれたコンポーネンツを使用する。

DBAは、仕上げには狂信的なまでのこだわりを見せ、塗装だけでも400時間、1台を仕上げるには1400時間をかける。見慣れた大衆車のようでいて、注がれる労力はポルシェ以上かもしれない。

もし、日本やアメリカからのオーダーがあれば、DBAはそれぞれの市場に合った仕様のミニを輸入し、仕上げてから送り返す販売方法をとるという。

おすすめ記事

 

自動車ニュースの人気画像