英国のEU離脱(ブレクジット) 自動車産業への影響は 危険性とメリット

公開 : 2018.08.18 12:10

12兆円産業の主要プレーヤー(その1)

ホンダ

ブレクジット前にもホンダの将来の見通しは暗かった。ホンダは2008年の金融危機で落ち込んだ販売をカバーするため、スウィンドン工場の操業を半分停止した。そしてジャズとCR-Vの生産を中止してシビック・ハッチバックの製造だけに絞り込んだのだ。しかし今や新型シビックは初めて米国にも輸出され、昨年の生産台数は24%上昇した。隣接するエンジン工場でまだディーゼルも製造しているが、生産能力をガソリンエンジンに振り向けることも可能である。

スウィンドンの将来はむしろトランプ大統領の制裁関税が実施されるかどうかにかかっている。加えて、強硬なブレクジットはホンダの英国での製造を落ち込ませるかもしれない。「欧州ホンダの明るい未来を見つけようと必死です」今年の初め、自動車アナリストのマックス・ウォーバートンはバーンスタイン・リサーチにこう寄稿している。

日産

単独では英国最大となるサンダーランド工場を拠点とする日産は、その大きさからブレクジットの首謀者だとみられている。サンダーランドでは昨年50万台近いクルマが製造され、その80%が輸出されている。今年4月、ロイターは需要減少によりサンダーランドでは「何百人」もの従業員が解雇さるだろうと報じた。

日産の英国での販売は今年上期に30%減少したが、それは主として商品が旧式になったためだ。ジュークやキャシュカイがモデルチェンジすれば生産台数は回復すると予想され、SUVのXトレイルも控えている。発売時期は発表されていない。

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