フェラーリの技術で見違えた体験 マセラティ3200GT/クーペ/スパイダー【UK中古車ガイド】(1) V8は3.2Lビトゥルボから4.0L NAへ
公開 : 2026.08.15 17:45
マセラティ新時代を告げた、V8ツインターボの3200GT。フェラーリ製のV8 NAへ置換された、後期のクーペとスパイダー。没入の運転体験が約束されたグランドツアラーを、UK編集部が振り返ります。
フェラーリの技術者で見違えた3200GT
AUTOCARが、ブランド新時代を告げるマセラティ3200GTへ初めて試乗したのは、1999年。「際立つスタイリングをまとい、特別感も感じさせます」と紹介しつつも、操舵感やアクセルレスポンスの切れの悪さ、乗り心地の硬さが指摘された。
ところが2000年後半に再試乗すると、見違えていた。ステアリングやフロントサスペンションに改良を受け、ECUは書き換えられ、4速ATも再調整。フェラーリの技術者による努力によって、動的能力は明らかに磨かれていた。乗り心地は、硬いままでも。

確かに、3.2L V8ツインターボエンジンは燃費に優れず、高身長のドライバーは、快適な運転姿勢を取ることが難しかった。それでも、官能的な運転体験を享受できるマセラティに仕上がっていた。シャープな音響を堪能でき、ブレーキは頼もしく速度を絞った。
荷室は狭めながら、大人2名が座れる後席も強みといえた。果たして、3200GTは英国で1653台が販売され、2002年に4.2L版へ進化。後期のクーペとスパイダーへ分化した。
フェラーリ製の4.2L V8自然吸気へ置換
スタイリングの変化は小さく、見た目の違いは僅かに膨らんだボンネットと、ブーメラン状ではないテールライト程度。しかし、内容はしっかり見直されていた。
エンジンはフェラーリ製の4.2L V8自然吸気へ置換され、トランスアクスルの6速MTを獲得。パドルシフト付きのセミ6速AT、カンビオコルサも選択できた。MTは滑らかな変速を引き出すため、10分程度の暖気運転が必要だったが。

サスペンションは、「スカイフック」と名付けられたアダプティブダンパーを獲得。スポーツ・モードは公道に少々硬すぎたが、ノーマル・モードなら充分に快適といえた。CO2排出量は430g/kmで、今の基準でなくても燃費は褒められなかった。
シリーズの集大成となったのが、グランスポーツ。より本格的なスポーツ・モードが実装され、トランスミッションやサスペンションはシャープに変化。聴き応え充分な排気音も放った。パーソナライゼーションは自由度が高く、特別仕様車も複数存在する。
オーナーの意見を聞いてみる
「当時、町中で偶然、レッドの3200GTを目にしたんです。初めて見たマセラティへ、一目惚れでした」。今回の車両のオーナー、パディ・クレア氏が出会いを振り返る。
「数年かけて1万5000ポンドを貯金して、遂に手に入れた時は、自分でも信じられない感覚でした。何しろ、素晴らしい見た目ですし。そのクルマは9年間維持して、今は3年前に乗り換えたこのクルマの、部品取りになっています」

「整備は殆ど自分です。修理費用を払えず、降りてしまう人は多いですね。エンジンのチェックランプの原因は様々ですし、2002年式以前ではOBDテスターに対応していませんから。フェラーリ用の、特殊なアダプターが必要なんです」
「自分は、前オーナーから診断ツールを譲ってもらいました。これがなかったら、維持は難しいでしょう。ディーラーは、診断だけで400ポンド(約9万円)取りますからね」









































































































































