AUTOCARアワード2019 エディターズアワード アンディ・パーマー

公開 : 2019.06.02 08:50  更新 : 2019.06.03 08:54

開発のサイクル 慢心は禁物

だが、この12カ月間で、セカンドセンチュリープランの第一部を成功裏に終えたからこそ、パーマーは2019年のAUTOCARエディターズアワードを受賞することとなったのだ。ついにアストンは前進を始め、これまでとは違ったやり方で、成長と拡大に向けた基盤を整えることに成功している。

2016年以降、DB11ヴァンテージDBSスーパーレッジェーラといったモデルが次々と登場しており、こうした矢継ぎ早のニューモデルの投入によって、アストンのエンジニアたちには息つく暇もなく、研究開発には多額のコストが費やされているが、その費用には、新車販売からもたらされた利益が使われている。

次はSUVのDBXであり、この新型SUVを生産するため、ウェールズのセント・アサンに新工場も建設されることになっている。

「DBXの次にはヴァンキッシュが控えており、さらにラゴンダへと続くことになるでしょう」とパーマーはマクラーレン720Sのライバルと目される、登場間近のミッドエンジンモデルと、EV専用のサブブランドから発売が予定されている過激なサルーンとSUVの名をあげる。「最終的には、フェラーリのようでありながらも、彼らとは違ったメーカーが誕生することになります」

フェラーリの名は、アストンが目指すべき成功例として、特に、新車販売と投資のサイクルに関して、これまで何度もパーマーが言及しているが、フェラーリが独自の道を行く一方で、パーマーはアストンが成長しても、その謙虚さと親しみやすは維持されなければならないと言う。

「いまは自信に満ち溢れていますが、わたしが来た当時、アストンは自信を失い欠けていました」と、パーマーは話している。「成功が自信をもたらすのです。この自信と謙虚さとを、いまアストンの精神にしようとしているところです」

「フェラーリも素晴らしいブランドですが、われわれが何を目指しているかはお分かりでしょう。フェラーリが成し遂げたことは素晴らしいものですが、経験から、偉大さは時に自己満足に繋がるものであり、失敗の最大の原因ともなり得るのです」

「それがフェラーリにも当てはまるというわけではありませんが、そんなことは決してアストンに起こってはなりません」

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