【中古車選びの秘訣】完ぺきなメンテナンス履歴とは? 記録だけでは不十分 重要なのは作業内容

公開 : 2019.12.27 10:20  更新 : 2019.12.27 17:48

複雑な問題 用心が肝心

では、ルノーディーラーの担当者が話してくれたトレーダーが、メンテナンス履歴が無いことを理由に4年落ちのザフィーラの価格を1750ポンドも値下げしたのは正しかっただろうか?

オンラインで車両査定サービスを行っているCap HPIの査定責任者、ダレン・マーティンはメンテナンス履歴の有無が車両の価値に与える影響は、その車種に対する需給の状況と、メーカー、さらに保証期間が残っているかどうかなどの要素に左右されると言う。

完ぺきなメンテナンス履歴とは?
完ぺきなメンテナンス履歴とは?

「複雑な問題です」と、彼は話す。「現在、中古車両の供給は豊富ですが、需要はそれほど高くはありません。ですから、少しでも不備のある車両、例えばメンテナンス履歴がほとんどか完全に残っていないなどは販売価格に影響を与えることになります」

「通常の状態であれば、メンテナンス履歴が残っていないことが与える影響は車両価格1万ポンドの個体で500ポンド程度です。高級モデルやパフォーマンスモデルの場合、こうした車両を購入する側が完ぺきなメンテナンス履歴を求めるため、その影響はより大きくなります」

一方で、ディーラーのなかには低価格な車両の場合、買い取るときにはメンテナンス履歴を重視するものの、販売する際にはさほど気にしていないようにも見えるところもある。

路上で思わぬ故障に見舞われないためには、次の車両を購入するときも、「完ぺきなメンテナンス履歴」という謳い文句に簡単に騙されないようにしたほうが良いということだろう。

番外編:デジタル記録

もしラッキーなら、購入を検討しているそのユーズド車両にはメンテナンスブックが存在するかも知れない。偽造されたり、他のクルマのグローブボックスから持ち出されたものでないとすれば、正式なメンテナンスを行ったことを証明するスタンプとともに、日付と走行距離が記録されているだろう。

だが、時代は進んでいる。より多くの自動車メーカーが車両とは別にメンテナンス履歴を記録する電子データやデジタルサービスを採用するようになっており、車両のオーナーは必要に応じてこうした記録にアクセスすることも可能だ。

完ぺきなメンテナンス履歴とは?
完ぺきなメンテナンス履歴とは?

この事実を知ったのは、ほとんどメンテナンス履歴が残っていないか、メンテナンスブックを持たない認定中古車を探しにBMWディーラーを訪問した時のことだった。結局、完ぺきなメンテナンスを受けてきた車両であることを確認出来たが、メンテナンスブックにはそのことを示すサインはひとつも残されていなかったのだ。

その替り、ディーラー担当者が走行距離5万6000kmで1万4995ポンド(214万円)のプライスタグを掲げた2015年登録の318d Mスポーツにイグニッションキーを差し込むと、ダッシュボードのスクリーンにはメンテナンス履歴が表示され、完ぺきな作業履歴を持つ車両であることが明らかとなった。

このシステムはBMWディーラー専用ではないものの、独立系ガレージがこのシステムへアクセスするには、必要な診断用ソフトウェアを購入するとともに、このサービスへデータをアップロードするたびに費用を負担する必要がある。

さらに、このシステムに登録できるのは、BMWディーラーと、認証ソフトウェアに加えBMWのアカウントを持つ独立系ガレージで行った作業だけだ。

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