【ローバー製MTとCVTに注意】ミニ(BMW) 理想の1台を 英国版クラシック・ガイド

公開 : 2020.03.15 07:50  更新 : 2022.08.08 07:40

ニュー・ミニの中古車 購入時の注意点

多くのモダン・クラシックと同様、調子が良いときは素晴らしいクルマだが、不具合が出るとかなり面倒な修理に迫られる。専門家は、知識のあるホームメカニックなら、大体の修理はできると話す。

修理作業の前に、手前にある邪魔なパネルや部品類を外す作業が必要で、そこに時間が取られることも多い。元通りに戻す手順も簡単ではない。過去の修理でボルトやクリップ類が欠品していたり、別のものに交換されていることもある。

ミニ(2001〜2009年)
ミニ(2001〜2009年)

ミニ・ワンをニミ・クーパー同等へアップグレードするなら、300ポンド(4万円)ほどあれば可能。クーパーSなら、ブースト圧を上げる小径のスーパーチャージャー・プーリーへの交換作業も簡単だ。だがそれ以上に、正しい状態へ修理する方が大切。

スーパーチャージャーは独自のオイルを備えるが、メンテナンスを施している人は少ない。エンジンから降ろし、本体両端からオイル交換が可能。

冷却システムはやや複雑で、冷却水漏れに悩まされることも多い。樹脂製のサーモスタット・ハウジングは変形し故障したり、液漏れしやすい。ラジエーターも、12年程度で交換が必要になることも。

冷却系が完全でないと、ウォーターポンプやヘッドガスケットの不具合にもつながる。エンジンオイルと冷却水とが混ざっていないかも確認ポイントとなる。

油圧パワーステアリングは、電動ポンプで動作する。異音が出始めたら、交換した方が良い。加熱して発火する可能性もある。中古部品やリビルト品が安価に入手可能で、作業も大変ではない。

不具合を起こしやすいポイント

エンジン

比較的シンプル。冷却性の管理が充分なら堅牢なユニットだ。トライテック社製ユニットの心配は少ない。冷却水漏れや、適切な処理をせずに補充した場合などは、ガスケットの破損を招く恐れがある。

最も負荷の高いクーパーSなら、20万kmくらいでリビルトも必要となる。ただし、中古エンジンに載せ替えた方が安上がり。

トランスミッション

ミニ(2001〜2009年)
ミニ(2001〜2009年)

ローバー製MTなら、デフ・ベアリングの異音を確認する。中には3万km程度でゴロつくこともあるので、こまめなフルード交換が無難。リビルト品なら495ポンド(7万円)程度で見つかるが、取り付けるのに1000ポンド(14万円)は必要だ。

CVTなら適正に作動しているか、クーパーSならクラッチが滑っていないか確認したい。

カギ

新車時は2個のリモートキーと、通常の金属キーが1本付いてきた。購入すると120ポンド(2万円)が必要で、コーディングも複雑。ドアロック・ケーブルは壊れやすい。

パワーウインドウ

故障しやすく、修理は面倒。

振動

CVTの場合、ドライブシャフトから発生しがち。ストラット丈夫のベアリングが痛むと、異音が出ることがある。

タイヤとサスペンション、ブレーキ

タイヤの空気圧センサーが付いているが、調子は必ずしも良くない。エアゲージで測っておきたい。

リア・ブレーキディスクの内側のサビは見ておきたい。使用頻度の少ないキャリパーは動きが渋くなりがち。

サビ

比較的錆びにくいが、リアフェンダーやリアバンパーの上部、ボディパネル下部、ドアやサブフレーム回りは目視しておきたい。

警告灯

エアバッグ警告灯は、シートセンサーの接触不良で点くこともある。ABS警告灯は、ABSユニットの不具合が原因かもしれない。すべて正常に点灯・消灯するか確認する。

シート

サイドサポート部分の表皮は摩耗しやすい。位置調整のケーブルが破損することがまれにある。車内のプラスティク製パーツは比較的もろい。特にグローブボックス・カバーのキャッチ部分や、クロームメッキのトリムなど。

おすすめ記事

 

クラシックの人気画像