レンジローバー P550e(1) 歴史へ刻まれる革新 我がままカスタムへ応えるSVO テールゲートでピクニック?

公開 : 2026.03.02 18:05

革新性で歴史へ刻まれる5代目レンジローバー 高度な技術が標準装備 格別な印象のインテリア 静寂・強力なP550eの直6プラグインHV カーブでの敏捷性に驚く 悪路性能も最高水準 UK編集部が試乗

革新的な世代として歴史へ刻まれる5代目

5代目のL460型レンジローバーは、最も革新的な世代として歴史へ刻まれるはず。登場は2021年だが、ミニマリスティックで塊感の強いボディは、新鮮味を失わない。電動化の波へ乗るように、プラグイン・ハイブリッドも用意されている。

間もなくバッテリーEV版も登場予定だが、それに先立ってフェイスリフトを実施済み。今回は、プラグインHVのP550eを中心に、仕上りを再確認していこう。

レンジローバー P550e(英国仕様)
レンジローバー P550e(英国仕様)

そもそもレンジローバーは、屈指の悪路性能と、出色の高級感を融合したランドローバーとして誕生した。学校のお迎えからオペラ鑑賞、週末の畑仕事まで、すべてをこなせるSUVという成り立ちは、初代から変わりない。かなり上級側な位置付けも。

ホイールベースは2種類あり、2列シートの標準ボディの他、ロングボディなら3列シートも指定できる。トリムグレードは計8種類。スペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)を希望すれば、我がままなカスタマイズも請けてくれる。

可変アンチロールバーや後輪操舵などが標準

最新版のプラットフォームは、約8割がアルミで構成される、MLAフレックス。多くの部品は、他のランドローバーとの共有も図られている。ピラー部分やドアの開口部などには、高強度なスチール材が仕込まれ、ねじり剛性は先代より5割も向上したという。

サスペンションは、前がダブルウィッシュボーンで、後ろが5リンク。エアスプリングが標準となり、悪路では通常より135mmボディを持ち上げられ、乗降時には50mm落とせる。オプションで、コイルスプリングも選べる。

レンジローバー P550e(英国仕様)
レンジローバー P550e(英国仕様)

アクティブ・アンチロールバーと、後輪操舵システムは標準装備。前者はカーナビの地図情報をもとに、カーブが迫ると自動的に引き締まり、ボディロールを抑える。後者は、低速時にリアタイヤを最大7.3度傾け、ハッチバック並みの小回りを実現している。

電子制御のリミテッドスリップ・デフと、ブレーキ制御のトルクベクタリング機能は、旋回性を向上。悪路での走破性を高める、統合的なテレインレスポンスIIも実装される。

悩むほど多彩なパワートレイン

パワートレインは、英国仕様では悩むほど多彩。300psのマイルド・ハイブリッド・ディーゼル、D300から始まり、V8ツインターボ・ガソリンで615psのP615が頂点を飾る。その次に強力なのが、3.0L直列6気筒のプラグイン・ハイブリッド、P550eだ。

荷室の床下へ31.8kWhの駆動用バッテリーが実装され、8速ATへ内蔵された駆動用モーターは218psを発揮。6気筒エンジンには、ツインスクロール・ターボと電動スーパーチャージャーが組まれ、400psを発生。システム総合で、550psがうたわれる。

レンジローバー P550e(英国仕様)
レンジローバー P550e(英国仕様)

8速ATはZF社製で、本格的な悪路へ備えるローレンジ・トランスファーも実装。気温が3度以上で、20km/hから160km/hでの走行時には後輪駆動になり、燃費へ貢献する。

L460型は、従来より大きい。全長は、ベントレーベンテイガBMW X7より短いが、5052mmあり、ロング版では200mm長くなる。全幅は、ドアミラーを含めれば2225mm。全高1870mmで、車重は2.7t前後だから、駐車場は選ぶといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 撮影

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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