クラス最高峰のSUV! レンジローバー P550e(2) 静寂・強力な直6プラグインHV 敏捷性に驚き走破性に唸る

公開 : 2026.03.02 18:10

革新性で歴史へ刻まれる5代目レンジローバー 高度な技術が標準装備 格別な印象のインテリア 静寂・強力なP550eの直6プラグインHV カーブでの敏捷性に驚く 悪路性能も最高水準 UK編集部が試乗

静かで強力な直6プラグインHV

P550eへ載る、3.0L直列6気筒ガソリンターボのプラグイン・ハイブリッドは、レンジローバーの雰囲気へ合致する。ホワイトのレザーでとびきり上質に仕立てられた、オートバイオグラフィー仕様の試乗車では、尚のこと。

0-100km/h加速は4.9秒で、0-161km/h加速も11.9秒と、上級SUVとして動力性能にまったく不満なし。EVモードで発進すれば、優雅に住宅地や市街地を走り回れる。駆動用バッテリーの充電が充分なら、右足を深く倒さない限り、ひたすら静かで上品だ。

レンジローバー P550e(英国仕様)
レンジローバー P550e(英国仕様)

速度域が上昇すると、直6ユニットが目覚める。低域では218psの駆動用モーターがアシストし、レスポンスは秀抜。エンジンが本領を発揮し始めると、モーターは自然に身を引く。その制御も巧妙で、反応は正確で、運転のしやすさへ結びつけている。

フル充電なら、80km程は電気だけで走れる。充電が乏しくなると、燃費は9.5km/L前後へ落ちるが、71Lのタンクが満タンなら700km程先は目指せるはず。

ベストは直6ディーゼル

他方、レンジローバーのベストユニットと呼べるのは、直6のインジニウム・ディーゼルターボ。高負荷時も非常に静かに回転し、71.2kg-mという余裕の最大トルクへ浸れる。高速道路の巡航なら、12.5km/L近い燃費も得られる。

BMW由来のV8ガソリンターボは、フラッグシップに相応しいパワフルさ。低域での唸りも、高域での上質な響きも好ましく、高速道路で不満を感じる場面は皆無といえる。ただし、発進時のアクセルレスポンスは、若干尖すぎるかもしれない。

レンジローバー P550e(英国仕様)
レンジローバー P550e(英国仕様)

ブレーキは、もう少し強力でも良いだろう。オールシーズン・タイヤを履いたP550eの、濡れた路面での112-0km/h制動距離は57.3mだった。

乗り心地は至って滑らか。22インチという大径ホイールを履いていても、路面を問わずボディはフラットに保たれる。センターラインに並ぶキャッツアイを踏んでも、ノイズがささやかに聞こえるものの、振動はほぼ伴わない。

カーブでの敏捷性に驚く

全長5m、全幅2mのSUVを峠道で操ることは、一般的には簡単な作業ではない。しかしレンジローバーは、正確なステアリングのおかげで自然に導ける。幅員の狭い場所で対向車が来ても、少ない緊張感で幅寄せもできる。

車重を考えれば、カーブでの敏捷性にも驚かされる。知的なアクティブ・アンチロールバーとエアサスペンションが機能し、最小限のボディロールで小気味よく旋回していく。狭い駐車場では、後輪操舵システムが回転半径を縮め、不安感を減らしてくれる。

レンジローバー P550e(英国仕様)
レンジローバー P550e(英国仕様)

遮音性は出色。ノイズキャンセリング機能も相乗し、外界の音は殆ど聞こえてこない。ボディへ響くロードノイズも小さく、100km/hで走っていても、目をつぶれば40km/hで流しているように思えるほど静かだ。

悪路性能も圧巻のレベル。最低地上高は、メルセデス・ベンツGクラスより55mm増しの、295mmへ高められる。オーバーハングは切れ上がり、最大渡河水深は900mm。高度な電子制御技術、テレインレスポンスIIが機能すれば、鬼に金棒だろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 撮影

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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