【詳細データテスト】レンジローバー・イヴォーク 重さを感じない乗り味 常用域では上品でパワフル

公開 : 2021.02.20 20:25

結論 ★★★★★★★★★☆

プラグインハイブリッドの経験が乏しいメーカーである割に、ランドローバーの仕事ぶりはみごとなものだ。

イヴォークP300eは、燃費重視のユーザーへ合理的に訴求できるだろうが、それだけのクルマではない。市街地でも、郊外を走っていても、上質で、レスポンスがよく、一体感を感じられる。つかみどころのないフィールで、すぐに混乱をきたすパワートレインを積んだ、競合するPHEVの多くと有効に差別ができている。

結論:プラグインのコンパクトSUVとしては上出来。高価だが、上質でラグジュアリーだ。
結論:プラグインのコンパクトSUVとしては上出来。高価だが、上質でラグジュアリーだ。    OLGUN KORDAL

ルックスは洗練度を強めたぶんだけ、初代の魅力的な部分が薄らいでしまったかもしれない。しかし、キャビンは実用性とリッチな雰囲気が増し、高級車らしい上質さが大きく高められている。これを後押しするのが、優れた遮音性と磨き抜かれた乗り心地だ。

さらに、ほとんどの場合、ハンドリングは電動化による重量増加の悪影響を感じさせない。驚くほどコンパクトに感じられ、比較的俊敏なので、一般的なコンパクトSUVよりも運転が楽しく夢中になれる。

ただし、これらの性能を手に入れるには、それなりに多くの出費が求められる。しかしレンジローバーは、その高価格を正当化するのに困ったことはなかった。ライバルを上回る水準のクルマを生み出してきたからだ。このイヴォークも、明らかにそれを成し遂げている。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

EVのドライバーは、彼らの命綱ともいえる高速道路の急速充電器を、PHEVに占領されていることを非常に嫌うのだが、このイヴォークが急速充電に対応しているのはじつにありがたい。コーヒーでも飲んで休憩している間に80%チャージできるとなれば、積極的に充電器を使おうと思うようになるはずだ。

サイモン・デイヴィス

ランドローバーは充電ケーブルを入れる、こぎれいな革バッグを用意している。だが、荷室の床下には収まらない形状で、荷室に立てて置きたくても、固定しておくフックなどが用意されていない。

オプション追加のアドバイス

室内の先進装備や高級感を考えると、グレード的にはRダイナミックSEがスイートスポット。これに440ポンド(約6.2万円)のWi-fiを付けたい。必要ならば、3ピン充電ケーブルと携帯デバイス用ワイヤレス充電器が、それぞれ300ポンド(約4.2万円)で用意されている。

改善してほしいポイント

・エンジンの余剰出力で、走行中にバッテリーを再充電するモードがほしい。
・フロントシートはもう少し大きく、快適にならないだろうか。
・もっとトルクを、そしてもう少しだけワイドなギアレシオを。そうすれば、135km/hでパフォーマンスが急激に低下するのをもっとうまくカバーできるはずだ。

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