【減産が数字に】7月の新車販売 半導体不足/新型コロナウイルスの影響は?

公開 : 2021.08.03 11:45

7月の新車販売台数レポートです。回復基調から一転、10か月ぶりの前年割れに。半導体と新型コロナウイルス、自動車業界への影響を解説します。

登録車 前年超えはトヨタ/レクサス/三菱

text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

自動車用の半導体不足、さらに東南アジアでの新型コロナウイルス感染急拡大による部品調達の遅滞によって多くのブランドが減産を余儀なくされ、受注にも少なからず影響が出た日本の自動車市場。

2021年7月の国内新車販売は、その波及が数字となって表れた。

7月の登録車の新車販売台数は、トヨタ、レクサス、三菱自のみ新車効果が減産を上回った。
7月の登録車の新車販売台数は、トヨタ、レクサス、三菱自のみ新車効果が減産を上回った。

7月の登録車の新車販売台数(日本自動車販売協会連合会まとめ、速報値)は、前年同月比3.3%増の24万7148台と5か月連続でのプラスを達成。

一方、7月の軽自動車の国内新車販売台数は、同17.0%減の13万300台と2か月連続でのマイナス。しかも、昨年9月以来10か月ぶりの2桁減を記録する(全国軽自動車協会連合会まとめ、速報値)。

結果として、トータルでの国内新車販売台数は同4.8%減の37万7448台と、10か月ぶりの前年割れとなった。

登録車の7月のブランド別新車販売台数では、新車効果が減産を上回った3ブランド、具体的にはトヨタが前年同月比8.3%増(13万2079台)、レクサスが同65.0%増(4701台)、三菱自が同0.5%増(1868台)と前年超えを達成する。

一方、ホンダは同0.9%減(2万5638台)と3か月連続での前年割れに。

また、日産は同0.2%減(2万3042台)、マツダは同12.9%減(8716台)、スズキは同32.9%減(6782台)、スバルは同15.5%減(6297台)、ダイハツは同20.3%減(3292台)と、2か月連続でマイナスに落ち込んだ。

7月の軽 スズキ/日産は大きく下げる

軽自動車の7月のブランド別新車販売台数では、減産の影響を大きく受けたブランドと、かろうじて凌いだブランドの“差”がはっきりと表れた。

首位に立ったのはダイハツで、前年同月比11.7%減ながら4万6646台を成し遂げて2か月連続でのシェアトップにつく。

シェアトップのダイハツ、唯一のプラスとなったホンダを除いて、軽は減産の影響を大きく受けたブランドが目立つ。
シェアトップのダイハツ、唯一のプラスとなったホンダを除いて、軽は減産の影響を大きく受けたブランドが目立つ。

首位争いを繰り広げるスズキは、同25.2%減(3万6446台)と苦戦して、第2位に甘んじた。

また、新型NワンやマイナーチェンジしたNボックスの販売が堅調なホンダは、全ブランドで唯一の前年超えとなる同0.6%増(2万6937台)を達成。

対して日産は同41.7%減(9930台)、三菱自は同0.8%減(3157台)と、いずれもマイナスに沈む。

一方でOEM供給を受けるブランドは、トヨタが同0.6%減(2973台)、マツダが同27.3%減(2495台)、スバルが同13.8%減(1713台)と、すべて前年実績を下回った。

今後の展望は? 業界関係者の声

7月の新車市場の動向について業界団体の関係者は、「多くのブランドが半導体不足で減産を余儀なくされたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で販売が大きく落ち込んでいた前年の反動もあって、7月は登録車がプラスを記録した。一方で軽自動車は、減産をカバーし切れずに2桁のマイナスに落ち込む」と解説。

「もちろん、コロナ前の一昨年のレベル(登録車30万799台、軽自動車15万8657台)には及んでいない。半導体の不足や部品調達の遅滞による減産、それに伴う需給ギャップは、解消できない状況が続いている」と分析する。

今後に関しては、「減産のために需給ギャップ克服の見通しが立てられず、また新車の発売スケジュールも遅延を余儀なくされている。新型コロナウイルス感染の急拡大、それに伴う緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の実施地域の拡大もマイナス材料。一方、新型コロナワクチン接種の進展に伴ってディーラーへの客足は回復基調にあり、またオンラインによる商談や販売の強化も成果を上げつつある。内閣府が発表した消費者態度指数もわずかながら上昇しているので、販売台数が復調する可能性は十分にある。ただし、一昨年のレベルに戻るには、まだ時間が必要だろう」と示唆した。

関連テーマ

人気テーマ

おすすめ記事

 

人気記事

      ×