なぜマツダCX-50、日本未発売? CX-5フィールドジャーニーと関係か

公開 : 2021.12.22 12:05  更新 : 2021.12.22 12:06

年齢層などが違う?

フィールドジャーニーの特長として「年齢層が広い」という。

一般的に、アクティブ系やアウトドア系のクルマのユーザーは20代から60代まで幅広いと言われているが、そうしたデモグラがフィールドジャーニーでも相当するようだ。

マツダCX-5(初代)
マツダCX-5(初代)    マツダ

さらに、「初代CX-5からの乗換が多い」という。

CX-5は2代目で都会派クロスオーバーとしての商品イメージを強調したため、初代CX-5ユーザーで2代目に乗り換えず、所有年数が長くなっているケースが少なくなかったというのだ。

では、フィールドジャーニーの商品企画へと至ったCX-5の全容について、長年に渡りCX-5開発の陣頭指揮を執ってきた、マツダ商品本部の松岡英樹氏に話を聞いた。

最初の質問は、「CX-5は現状で、マツダのスモール(FF)商品群、それともこれから登場するラージ(FR)商品群、どちらにも属さないのか?」というものだ。

これに対して「CX-5は2012年生まれで、それ以来、FF車としてのラージ商品群」という位置付けとの認識を示した。

その上で「2022年以降、CX-60CX-80が日本で導入されることについて、どう感じるか」と聞くと、「CX-5は購入年齢層もクルマの大きさも、日本市場の中核であり続けると思う。

そこにマツダ第7世代のFR系ラージ商品群が入ってきて、市場がどう反応するのか、状況をしっかり見ていきたい」という見解だ。

CX-50日本導入は?

一方で北米CX-50投入については「CX-50はタフな商品イメージが主流。

都会派SUVのCX-5とは当面、併売されていく可能性があると思う」との見方だ。北米でフィールドジャーニーの設定はない。

スバル・アウトバック・ウィルダネス
スバル・アウトバック・ウィルダネス    スバル

また他のマツダ開発者が北米でのCX-50について、ガチンコライバルは「スバル・アウトバック」と言い切る。

スバルが北米でアウトバック・ウィルダネスを設定したように、CX-50のオプション設定でもかなりタフな仕様がある。

そうしたCX-50であるからこそ、ウィルダネスのように日本未導入という戦略なのだろうか?

その上で、松岡氏は「2代目CX-5を出した2017年から、マツダ社内を含めてオフロードやアウトドア系の商品イメージ強化を求める声はある中で、競合他社のCX-5同クラスSUVの商品戦略も影響した」とフィールドジャーニーの開発動機を振り返る。

走行性能については、ノーマル、スポーツに加えてオフロードモードの3モードを持つ「Mi-Drive」を設定。

オフロードモードではGベクタリングコントロール、AED、そしてATが連携した制御を施す。

松岡氏が「CX-5はサイズ感、荷室、楽しさ、そしてアウトドアと、すべてにおいて100満点で満足できるオールラウンダーだ」と、フィールドジャーニーも加わった今回の大幅改良について自信を見せた。

近いうち、フィールドジャーニーをオフロードに連れ出してみたいと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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