最高の内燃機関は? エンジン・オブ・ザ・イヤー歴代受賞機 日本メーカーも健闘

公開 : 2022.08.27 06:05

その年、最も素晴らしい内燃機関に贈られるインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの栄誉。これまでにどんなエンジンが受賞してきたのか、20年を振り返ります。

エンジンをかけよう

フォードのスモールブロックV8、ロータスのツインカム、ポルシェの空冷フラット6など、市販自動車には素晴らしい「エンジン」が数多く搭載されてきた。1年に1度、その中から最高のエンジンを決めるべく、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーが開催されている。

各国の評論家やジャーナリストが審査員となり、さまざまなメーカーの市販車に搭載されるエンジンを吟味し、特に優れたものを選び出す。厳密に言えば、内燃機関に限らずテスラの電動パワートレインも受賞歴がある(部門賞)。

排気量875ccの2気筒エンジンから、5.0L V10エンジンまで、歴代の受賞機を紹介する。
排気量875ccの2気筒エンジンから、5.0L V10エンジンまで、歴代の受賞機を紹介する。

自動車史を振り返れば、称賛に値するエンジンは枚挙にいとまがない。そこで、今回は1999年から開催されているインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの受賞歴を振り返る。

トヨタ 1.0L(1999年)

1999年、記念すべき第1回インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーで、晴れて総合賞と「サブ1.0L」部門を受賞し、頂点に立ったのはトヨタの1.0Lエンジン、1SZ-FEだ。

ヤリス(ヴィッツ)に搭載された排気量998cc、最高出力68psのエンジンは、約20km/lの低燃費とパフォーマンスが高く評価された。ある審査員は「もっと大きなエンジンのような性能を持ちながら、信じられないほど効率的だ」と評している。1999年10月には、このエンジンの1.3L仕様も登場した。

トヨタ 1.0L
トヨタ 1.0L

ホンダ 1.0L IMA(2000年)

ホンダ・インサイトの1.0L IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)ハイブリッドは、フェラーリの5.5L V12、アルファ・ロメオの2.5L V6、BMWの3.0L直6と4.0L V8ディーゼルを抑え、2000年の王冠を手に入れた。日本勢としては2年連続の受賞である。

審査員の一人、スティーブ・クロプリー(AUTOCARの英国編集長)は、このユニットを「普通の人が買えるエレガントなソリューション」と表現した。995ccの3気筒エンジンは、右足を軽く動かすだけで、最高40km/lもの燃費を達成することができた。

ホンダ・インサイト
ホンダ・インサイト

BMW 3.2L直列6気筒(2001年)

3回目のインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの頂点は、ドイツに奪われた。栄冠を手にしたのは、BMWの3.2L直列6気筒。E46 M3にベストフィットするエンジンで、最高出力348ps/7900rpm、最大トルク40kg-m/4900rpmを発揮し、最高速度は250km/hに達する。

当時のAUTOCARはこう書いている。「アイドリング時のクワッドエグゾーストの不機嫌な唸り声は、レッドラインに近づくにつれて、鋸歯状の慟哭へと変わる」

BMW 3.2L直列6気筒
BMW 3.2L直列6気筒

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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