BMW i7 詳細データテスト 静粛性と乗り心地は秀逸 4WSの俊敏さは驚異的 航続距離は要改善

公開 : 2023.02.25 20:25  更新 : 2023.03.04 23:07

操舵/安定性 ★★★★★★★★★★

最新の運転支援テクノロジーを満載したことで、i7はほぼいかようにも、好きなように走らせられるクルマとなった。すべてのドライバーズエイドを起動して高速道りょを長距離クルーズすれば、手はステアリングホイールに軽く添えているだけでほぼ事足りる。するべき操作は、入口からの合流と出口への分岐でのレーンチェンジくらいだ。

しかし、レーンキープやアクティブクルーズコントロールまでカットすると、秀逸な高速安定性と中立でのステアリングフィールを示し、外的要因の有無に関わらず、その巨体が意図した車線から外れず走る。そうしたなによりもみごとなのは、i7がきわめてリラックスして運転できるクルマだということだ。

ストレートでは力強くスムースなi7だが、コーナーでは驚くほど俊敏。四輪操舵システムは、このサイズとウェイトを楽に扱えるものにしてくれる。
ストレートでは力強くスムースなi7だが、コーナーでは驚くほど俊敏。四輪操舵システムは、このサイズとウェイトを楽に扱えるものにしてくれる。    MAX EDLESTON

低速域での取り回しでは、重さもサイズもあまり苦にならないことに驚かされる。また、快適性至上主義ということもあって、タイトコーナーも落ち着いて曲がる。そのサイズは、i7をどう運転するかを決定する要因ではあるが、四輪操舵システムによってタイトなスペースでも楽に扱えるし、ジャンクションやラウンドアバウトでは俊敏さを発揮する。いずれも、想像以上のはずだ。

アンチロールとエアサスペンションのアクティブ制御のコンビネーションは、コーナリング時に車体の荷重がかかった側を支え、ロールの出方をバラつきのないものにする。それでいて、結果的に不自然に感じさせるようにはなっていない。シャシーもステアリングも、クルマが発生させる旋回Gを、ドライバーも同乗者も気楽に乗っていられる程度だけ伝えてくる。

いっぽうでi7は、ノーズを驚くほどタイトにアペックスへ向けることもできる。そのキツい走行ラインでも、グリップのバランスは良好。ロールもピッチも、すばらしくうまく抑えている。そして、加速中でもじつにニュートラルな旋回姿勢を保ってくれるのだ。

ハードに走らせても、ボディの振れは上下左右いずれもほとんど出ない。減衰やサポートが不足しているような挙動もみられない。常に静かで快適だが、きっちりした精密さも備える。ルーズさはめったにみせず、のたうち回るようなことは絶対にない。大多数が期待するようないまどきの高級サルーンがここにある。

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