キャデラックATSクーペ 2.0L プレミアム・コレクション

公開 : 2014.09.27 23:40  更新 : 2017.05.29 18:32

”軽量化も徹底したため、かなり敏捷になっています” と教えてくれたのもハシム氏。ボディシェルには、熱を加えないと成形できないほどの強化金属素材を用いているとのこと。

このおかげでBピラーや、ルーフ、サイドを軽くすることが可能になったため、それに付随してハンドリングも良くなったそうだ。ルーフラインを20mm低くできたのも、衝撃に強くなっているがゆえである。

ドイツのライバルよりも軽くなっていると言うのだから、乗ってみるのがますます楽しみになった。

■どんな感じ?

快適性に舌を巻くまで、それほどの時間は掛からなかった。認識しやすいヘッドアップ・ディスプレイや、適切な位置にある機能満載なインフォテイメント・システム、優れたドライビング・ポジションがそう感じさせてくれたのだろう。

走りだせば、明らかに身のこなしが軽いのだが、それ以上に頑健で静かなさまに驚かされる。乗り心地は良く、転舵をこころみても、滑らかで思いどおりに行うことができる。淡々と、素早くノーズが切り込んでいくさまは、気持ちいい!の一言に尽きる。

50:50の前後重量バランスのおかげでアウトバーンでも至極快適。高速域におけるボディの落ち着きも見事なもので、ウインド・ノイズは皆無とは言えないが、とにかくリラックスして運転できる。

コーナーの続く道でも、思慮深く粘り強い。ルーフが軽くなったおかげでロールが他のクルマよりも抑えられていることも、すぐにわかった。どんなに攻め立てても怖くないのだ。これはいままでの ’アメ車’ とは違うぞ。第一印象は確信へと変わっていった。

そう遅からず8速のATも導入されると聞けば、なおさら面白くなるに違いない。

ただし高回転域のエンジン・マナーと、ごく低回転域で一瞬感じるトルク不足は気になる所。

リアシートの頭上スペースの欠落はクーペであるがゆえに仕方ないけれど、フロントシート用のシートベルトの引っ張りづらさや、エアコン操作用のインターフェイスが直感に欠ける点は、毎日使うだけに早急に改善して欲しいと感じた。

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