トラブルだらけの英国車、曇らぬ20歳代オーナーの愛情 6年かけて修復した1987年式『ローバーSD1』 長距離も難なく走れるように

公開 : 2026.07.30 17:25

英国在住で20歳代のリース・モーデンさんは、1987年式のローバーSD1ヴィテッセを入手したものの、度重なるトラブルに6年も悩まされてきました。しかし、苦労の甲斐はあったようで、現在は快適に走行できているようです。

スポーティというよりGT的な乗り心地

2000年代に英国で生まれたリース・モーデンさんにとって、1987年式のローバー『SD1ヴィテッセ』は、決して手放すことのない正真正銘のクラシックカーだ。

「このクルマと1980年代のスタイリング、特に電動アンテナが気に入っています。売るつもりはまったくありません」とリースさんは言う。あまり古いクルマを運転したことがないそうだが、SD1ヴィテッセの現代的な乗り心地には感心しているという。

リース・モーデンさんのローバーSD1ヴィテッセ
リース・モーデンさんのローバーSD1ヴィテッセ    AUTOCAR

「デュアルマス・フライホイールではないため、低速では少し振動を感じることもありますが、交通の流れには難なくついていけます」

「サスペンションには時代を感じますね。ヴィテッセはスポーツハッチバックとされますが、現代のクルマと比べるとサスペンションが比較的柔らかいため、どちらかといえばグランドツアラーのような乗り味です」

度重なるトラブルに悪戦苦闘

リースさんが初めてヴィテッセを目にしたのは、2018年の自動車ショーだった。そこで一目惚れし、8か月間にわたって徹底的に探し回った末、オンラインでSD1の広告を見つけた。それが今の愛車だ。

「ヴィテッセの多くはオーナーズグループ内で瞬く間に売れてしまうので、わたしは運が良かった――少なくとも当時はそう思えました。すぐに見に行ったのですが、売り手と過ごした2時間の間に、クルマに関する電話が6件もかかってきました」

リース・モーデンさんのローバーSD1ヴィテッセ
リース・モーデンさんのローバーSD1ヴィテッセ    AUTOCAR

「見た目は完璧でしたが、後で判明したのは、売るために急ごしらえで組み直されたクルマだったということです。多くの作業が手抜きで済まされていたため、購入してからこの6年間は、ひたすら修復に費やしてきました。チューニング作業も山ほど必要でしたし、部品は欠けていたり、間違ったものが使われていたりしました。何度もがっかりしましたよ」

リースさんは、夜間に自宅から数km離れた場所ですべてのライトが消えてしまったことや、燃料ポンプが2度も故障したことも、鮮明に覚えているという。過去に誰かがエンジンをオーバーホールしたが、その仕上がりもあまり良くなかったため、さまざまな問題を引き起こしていた。そしてある日、リースさんは再塗装されたボディから錆が浮き出ていることに気づいた。

BBS風」ホイールにこだわり?

「全面的に再塗装されていましたが、ホイールアーチの縁の部分は内側が塗装されていなかったため、内側から錆び始めていたのです。それで交換が必要になりました」

さらなる錆の進行を恐れたリースさんは、アンダーコーティングを徹底的に施した。「今ではすべてがしっかり保護されていますよ」と彼は言う。

リース・モーデンさんのローバーSD1ヴィテッセ
リース・モーデンさんのローバーSD1ヴィテッセ    AUTOCAR

筆者は、ヴィテッセの車高はこんなにも低かっただろうかと記憶を遡ってみたが、リースさんは正しいサスペンション設定になっていると断言する。しかし、ホイールについては少々雑多だ。

「リアにはポルシェ944のワイドホイールを装着しましたが、フロントはローバー純正なんです」

筆者の目には、BBS製のホイールと非常によく似ているように見えた。実際、BBSは、評価用としてローバーにホイールを設計・提供したにもかかわらず、製造契約をライバル企業のスピードラインに奪われたことに、非常に不満を抱いていたという話がある。そのため、リースさんは皮肉屋の英国人らしく、純正ホイールにBBSのステッカーを貼っているのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    役職:特派員
    フリーランスのジャーナリストで、AUTOCAR英国編集部の元スタッフ。姉妹誌『What Car?』誌の副編集長や『Practical Caravan誌』の編集長なども歴任した。元自動車ディーラーの営業マンという経験を活かし、新車・中古車市場や消費者問題について幅広く取り扱っている。近年は、これらのニュースや特集記事に加え、アイスクリーム・ワゴンのDIY方法から放置車両の探索まで、さまざまな記事を寄稿している。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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