次期日産スカイラインは今年後半登場へ! 『開発期間』を約20ヵ月短縮した30ヵ月実現したパイロットモデルに ものづくりを抜本的に変える

公開 : 2026.07.31 07:25

7月30日、日産が『開発期間短期化の取り組み』についてメディア向け説明会を開きました。最初に採用するパイロットモデルが、今年後半登場が予想される次期スカイラインになるようです。桃田健史が解説します。

強調される『スカイラインの開発期間短期化』

日産自動車(以下、日産)が横浜のグローバル本社で7月30日、『開発期間短期化の取り組み』についてメディア向け説明会を開いた。

そう聞いて「スカイラインのことか?」と思った人がいるかもしれない。2025年5月に経営再建計画『Re:Nissan』を公開した際、イヴァン・エスピノーサ社長は「スカイライン復活」を明言し、その後に「スカイラインの開発期間短期化」という表現を使うようになったからだ。

今年4月公開の長期ビジョンで、『次期スカイライン』のティザー画像を世界初公開。
今年4月公開の長期ビジョンで、『次期スカイライン』のティザー画像を世界初公開。    日産自動車

筆者も度々、エスピノーサ社長がスカイラインの開発期間短期化が日産の事業再生に不可欠な要素であることを主張する場に居合わせてきた。

特に昨年10月末から開催されたジャパンモビリティショー2025では、新型『エルグランド』や新型『リーフ』に加えて、日産はあえてスカイラインの重要性を強調したのが印象的だった。

そんな次期スカイラインについて、直近では今年4月に公開した長期ビジョンの中でティザー画像を世界初公開している。

このように、日産の意図は『スカイラインが始まり』という主旨で開発期間短期化に触れてきたのだと思うのだが、スカイラインは開発の真っ只中にあるため、メディアとしては開発期間短期化の全体像がつかめないという印象もあった。

実際、メディアから日産に対して『開発期間短期化とはどういうことをやっているのか、具体的に説明して欲しい』という問い合わせがあったという。そこで今回の説明会はオンラインではなく、メディア関係者が日産グローバル本社で日産と直接意見交換することになったというわけだ。

社内用語『PCS-T』で意識統一図る

では、説明会の模様を順を追って見ていこう。

登壇した日産の第一製品開発本部執行職である山口一之氏は、『開発期間を短縮することの意義』から話を始め、大きく5つのポイントを挙げた。

「スカイラインの開発期間短期化」という表現を使用するイヴァン・エスピノーサ社長。
「スカイラインの開発期間短期化」という表現を使用するイヴァン・エスピノーサ社長。    日産自動車

1つ目は『(モデル)ライフサイクルの長期化による競争力の低下』。経営上の課題であり、エルグランドを筆頭に状況は変化しているものの、さらなる改善が必要との認識だ。

2つ目は『市場環境の急激な変化』。代表例は、米トランプ政権によるEV関連施策の変更だ。

3つ目は『長いリードタイムによる事業リスクの増大』。市場変化が早いため、市場に出た時点では商品が市場要求にハマらないこともある。

4つ目は『コスト構造の課題』。ADAS、自動運転、電動化など部品と開発の費用が増加傾向にある。

そして5つ目が『業界構造の変化』。筆頭は中国メーカーによる新しい開発体制を挙げた。

これらの要素によって、開発期間短期化は日産にとって急務だという意識を、日産経営層と従業員層で意識統一するため、新たな活動を2024年から始めた。

社内用語は、『PCS-T』(プロダクト・クリエーション・システム・トランスフォーメーション)だ。

DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)のように、日産のものづくりを抜本的に変えるという、日産の意思表示である。PCS-Tの目的は『早く、安く、良いクルマを開発する』ことだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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