タミヤ・ワイルドワン 公道走行可能な電動バギーに 2人乗りオフロード車、欧州発売へ

公開 : 2023.05.17 18:05

1980年代に人気を博したタミヤのRCカー「ワイルドワン」が、英国のリトル・カー・カンパニーによって公道走行可能な電動バギーとして復活します。発売記念モデルは最高速度98km/hに達するとのこと。

1980年代のタミヤの人気RCカー、実物大で復活

フェラーリ250テスタロッサなどの名車のレプリカで知られる英国のリトル・カー・カンパニー社が、2024年にタミヤのRCカー「ワイルドワン」をフルサイズの公道走行可能なEVとして復活させる。

タミヤ・ワイルドワン・マックスと名付けられ、2021年に正式発表されて以来、大きく改良されてきた。従来はフロントにトレーリングアームを使用していたが、より複雑なダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用し、ハンドリングを向上させている。

英国企業が開発したタミヤ・ワイルドワン・マックス
英国企業が開発したタミヤ・ワイルドワン・マックス    リトル・カー・カンパニー社

また、全長と全幅を0.1mずつ拡大し(全長3.6m、全幅1.9m)、2座のコブラ製バケットシートに大人がゆったり乗れるようになったという。

発売記念モデルの「ローンチ・エディション」には、ブレンボ製ディスクブレーキ、ビルシュタイン製ダンパー、アイバッハ製スプリング、5.0インチの防水メーターディスプレイ、14インチのマキシス製オフロードタイヤなどの高度なハードウェアが装備される。また、オプションでウィンドスクリーンも用意される予定だ。

仕様詳細はまだ決まっていないが、リトル・カー・カンパニー社によると、ローンチ・エディションは最高速度98km/h、重量約500kgになる見込みだという。8つの取り外し可能なバッテリーパックを搭載し、合計14.4kWhの容量を備える。

また、270mmの最低地上高、34.1度のアプローチアングル、28.4度のブレークオーバーアングル、50.8度のデパーチャーアングルなど、新型フォード・レンジャー・ラプターに匹敵する柔軟性を備えたオフロード性能も売りにしている。

同社の発表では、標準モデルは最高出力5.5psのモーターを搭載し、最高速度48km/h、航続距離40kmとされている。また、オプションのモジュラーパワーパックでアップグレード可能であるという。

公道走行も可能で、例えば英国では小型四輪車規定「L7e」に基づいたホモロゲーションを得られるオプションワックも導入される予定だ。

タミヤ・ワイルドワン・マックスは、耐久性と性能のテストを経て、今年後半にその全貌を明らかにするという。納車は2024年初頭に開始され、発売記念のローンチ・エディションは欧州100台限定販売となる。

価格は未定だが、リトル・カー・カンパニー社のこれまでの製品はいずれも高級で、アストン マーティンDB5ジュニアは3万9000ポンド(約665万円)から、フェラーリ250テスタロッサJは7万8000ポンド(約1330万円)であった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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